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18歳以上ですか?
特別なんてにしおりをはさみました!
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特別なんて
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「何?誰?」
そいつは俺の前にカタカタと
震えながら立ちすくむ
よく見ると、さっき新の教室にいた
あんま目立たない暗めの奴
見るからに新とは正反対な性格だろうな
「ぼ、僕なら先輩の事」
「何?急に飛び出てきて
てか、さっきの見てたの?」
今は優しく話す余裕ないわ
こいつの態度から見て
俺に好意があるのはすぐに分かった
そんな奴を相手にする余裕ない
今まじで機嫌悪い
「す、すみませんっ・・・
でも先輩・・・辛そうな顔してたから」
は?俺が?
何言ってんのこいつ
「はーっ、つか誰?なに?
俺の事好きなの?
さっきの見てて俺が振られたとでも思った?
それで自分なら俺を慰めれるって?」
ダメだ。止まらねえ
これじゃただの八つ当たりだ
「っ・・・好きです・・・
ずっと先輩が好きでした。
すみません・・・先輩の言う通りです。
僕なんかが先輩の事・・・」
するとこいつは泣き出した
なんで泣く?
やめろよ泣くなめんどくさい。
早いとこなんとかこいつを
追い返さねえと
「でも!やっぱり僕は先輩が!」
あー・・・うるさい
何かを言いかけたそいつを睨むと
うっ、と言葉を詰まらせる
「っ!!」
「俺さ、今機嫌悪いから」
冷たくするとこいつも諦めがつくだろ
「・・・すみません」
またこいつは小さく謝る
俺が睨んでも冷たくしても
それでも逃げようとしなかった
お前は俺の何を知ってる?
俺の何を見て好きだと言える?
なんで震えてまで俺の前に現れた?
なんで謝る?
俺を好きだと言うお前に対して
俺は最低な態度を取ってんのに
自分でも今ほんとに俺は
最低だと自覚してる
八つ当たりなんて俺らしくもない
「・・・悪い、言い過ぎた」
俺の頭には新の事しかなかった。
だから早く別の事を考えたい
なんでもいいから
このむしゃくしゃする気持ちを
掻き消したい
「・・・名前は?」
「え?」
「名前・・・なに?」
新に対して特別な感情があるワケじゃねえ。
ただ、中々懐かない自分の犬が
別のやつに懐くのが気に食わない
それだけだ
それ以上の感情なんてあるワケない
あったとしても気付きたくもない
特別なんて言葉は嫌いだ
「お、大崎・・・忍です」
代わりなんて、いくらでもいる
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