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オレンジ色の気持ち
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あの後も、笑い続ける会長と眼鏡。
部長さんもずっとにやにやしてるし、
大崎は何か言いたそうな顔で俺の事見てくるし。
その場の空気に耐えきれなくなった俺は
あのまま生徒会室を飛び出した
廊下をいつもより強く踏み締めて
ドカドカと歩いて自分の教室に戻った
「みんなして俺を馬鹿にしやがって!」
くそ。ムカつく
ちょっといい役引いたからって
良い気になるなよな!会長も大崎も!
もちろん眼鏡もっ!
プンスカと苛立ちを体に纏い、
席に座って足を組んだ
教室はもう誰も居なくて、
みんなダチと遊びに行ったり、
部活に出たりして放課後の学校ライフを楽しんでいる。
「放課後・・・ね」
少し気を落ち着かせた俺は、教室を見渡した。
外の部活の掛け声が遠くに聞こえ
誰も居ない教室がいつもより広く感じた。
そんな中で、孤独感すら湧いてくる。
本当に静かだ。
喧嘩を卒業した俺は、遅れた分を取り戻そうとして
その日から勉強一筋だったから
高校に入っても、まともにダチと遊んでない。
暇な時に限って、ダチには誘いを断られて、
その空いた時間、時間が合えば秋人と会っていた。
けど、秋人も中学卒業してから
妹達の面倒を進んで見るようになって
容易に誘えなくなってしまった。
「はぁ・・・」
コツンと、額を机に付いて
俺はため息を零した
「俺だって遊びてえよ・・・」
カラオケとか行きてえし。
帰りにマク◯ナルド寄りてえし。
たまにはサッカー部とかに混じって
外で思いっきり体も動かしたい。
今しか出来ないことを、しておきたい。
けど、自分で選んだ生徒会だ。
ここに来るまでに
犠牲にしてきた時間を無駄にはしたくない。
机に頬をくっつけて
茜色に染まる外を眺めていた時
コンコンっと、扉をノックする音がした
「新。」
そっと、扉の方へ顔をくるりと回すと
「眼鏡・・・」
鞄を肩から掛けて、
扉にもたれかかって腕を組む眼鏡が立っていた
オレンジ色の光が、真っ黒な眼鏡の
髪と瞳を照らしていて、
つい、じっと見つめてしまった
「帰るぞ」
俺を見つめたまま、そう呟いた眼鏡に、
少しだけ ドキっとしたなんて
絶対に、言えない
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