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やめては無しな?
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「話せん…」
「…………」
もちろん、このまましたいのは山々やけんど、それでもやっぱり俺はあの事について話したくはなかった。
外されたボタン、ベルトをゆっくり元に戻していく。
いっちゃんはそんな俺をじぃっとまた見下ろしてきた。
「そのキスマーク付けた人には話したの?」
「え…」
ズイっと首元を指刺され、そう聞かれた。
「いや…これは…」
これは桐島のアホが付けたやつや……もちろん桐島はあの事について良く知っとる…あいつに対しては話す話さないの問題やないからなぁ…
なんて答えようかと思ってうーん、と暫く悩んだ。
「日野、僕は君について知りたいんだ…」
「……お、う」
そんなしょんぼりした声で言わんといてや。
知りたい言われても……俺について教えちゃれる事は限りなく少ない。
ましてや、あの事について知りたいなんて言われたら…。
「やっぱ……話せんわ……。」
「どうして?」
「…いっちゃんには、嫌われたくない。」
俺がそう言うたら、いっちゃんは大きなため息を吐いた。
今朝、いっちゃんに嫌いって言われて俺は嬉しいって言うた。
でもそれは心のどっかでほんまは俺の事そんな嫌いじゃないがやろうな。って思いがあったきや。
本気の嫌いやない。いっちゃんは結構頑固やし、素直に見せかけて素直やない。
そう思ったき俺は、いっちゃんはが言うた嫌いが嬉しかった。
ほんまに相手の事嫌いと思う奴は、その言葉さえもくれん。
本気で嫌いになられて、あの頃みたいに空気のように扱われるのはもう嫌や。
昔の事を少し思い出しながら、制服を正した。
最後のボタンを留め終えた時、またいっちゃんがため息を吐いた。
「嫌いにならないよ。」
「……?」
ボタンに掛けた手を、いっちゃんの右手に包まれた。
「そんなに話したくない事を無理矢理聞くなんて無神経だと、自分でも分かっているんだ。」
「…え…」
留めたボタンが、またゆっくり外されていく。
「でも、それでも僕は知りたい…。」
「……っ」
顔が近付いて来て、首筋にキスをされた。
触れてくる手は、あったかくて。いっちゃんの声は、今まで聞いた事のないくらい優しかった。
「嫌いにならないよ。これ以上は。」
「………」
「聞いた後だって、ちゃんと勉強も見てあげるし、生活態度だって指導してあげるよ。」
「…………」
本当に、いっちゃんは酷い奴や。
「君の好きにしていいから。だけどこれからは僕には何も隠し事をしないと約束して。」
普通さ……抱かしてくれたら話す、なんて。
そんな条件付きの約束なんか間に受けんやろ。
自分の体売って、聞いて得する話しちゃうのに…
「日野、顔上げて。」
「……」
ほっとけばえい事やのに…
「いっちゃん…」
顔を上げると、左頬を撫でられた。
俺もいっちゃんの左頬に手を添えてみる。
柔らかくてスベスベしちゅう……綺麗な肌や…
「嫌いに、ならんといてな。」
「だからこれ以上はならないよ。」
「あは…そやな。俺の事は最初から嫌いながでね。」
もし事が済んだ後、全部話して、本当に嫌われてしまったら…その時はその時かな。
でもいっちゃんを信じてみたいって…思った。
「俺、優しく出来んかも…」
「努力して。」
「ゔっ…」
少し困った顔をしたいっちゃんの頬をもう一度撫で、そのまま後ろにゆっくり押し倒した。
はだけた制服から見える綺麗な肌を見ると、胸がまたドキドキしてくる。
そっとシャツの胸元から手を入れて肌に触れてみたら、いっちゃんの心臓もドキドキしとった。
「…やめては無しな?」
本当にしてもえいがかな?って戸惑いながら、いっちゃんの唇にキスを落とした。
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