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july.18.2016 ミネとハル その1 ハル
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ハアハア
ゆっくり歩いているのがもどかしくて、ついつい小走りになってしまう。滅多に走らないから息が苦しい。
でも1分でも1秒でも早く帰りつきたい。
今自分の中にある、ギイさんがくれた勇気が消えないうちに、僕はミネさんの顔を見なくちゃいけない。
マンションにつく頃にはすっかり汗だくでハアハアはゼイゼイになってしまった。エレベーターに乗り、住む階に着く頃になってようやく呼吸が楽になった。
扉の前で一つ深呼吸。
カギを回すとカシャンという音とともにロックが解ける。ドアをあけたらコーヒーのいい香りが漂っていたから、ミネさんが起きているのがわかる。
廊下を静かに歩いてリビングへ。ソファに座っているミネさんの姿がぼんやり見えた。
ドアをゆっくり開ける。
ソファに座ったまま振り向いたミネさんは、いつものように優しい笑顔だった。
「おかえり。」
「ただいま・・・です。」
「ハル、おはようさん。」
「お・・・はようござい・・ます。」
ミネさんのおはようを貰って、僕がどれだけミネさんのことを欲しがっていたのか初めて理解した。
・・・笑顔だけじゃ足りない。
全部僕のものになればいい!
僕を好きになればいい!
僕だけのものになればいい!!
突き上げるような想いが一気に噴き出して怖くなる。
「おはようさん。」だけで僕の感情をここまで引き出せるんですよ?
ミネさん・・・あなたを僕のものにします。
絶対にしてみせます。
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