アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
体育祭の季節
-
◇◇◇
「陽ちゃん、機嫌直して?」
「……」
「陽ちゃん……祥さんが居るんだしダメだよ……」
さっきからこっちを見ようとしない陽ちゃんへと声をかける
そう、陽ちゃんが例え意固地になって拗ねていたとしてもダメなものはダメだ
「キスしてくれたら機嫌直す」だなんて今さっき言われた言葉
その交換条件をここでのむのはかなり難しいんだから
「……兄貴に会いたかったって言った」
「そりゃあ……でも祥さんに会いたいは友達みたいなもので、俺はいつだって陽ちゃんが1番会いたい人だよ?」
「……じゃあ、ちゅーして」
「だからそれは……」
「……意地悪」
いや意地悪どっち……
そんな事考えてしまう
俺だって今すぐ陽ちゃんにキスしたいに決まってる
小さな時から、物心つくときから
ずっとずっと陽ちゃんだけを好きでいたんだ
それが今夢みたいに想いが報われて
陽ちゃんと恋人になれた
まだ付き合ったばかりで
勿論イチャイチャしたいし
陽ちゃんに沢山好きって言いたい
だけど人前で下手なことをして
誰かに後ろ指を指されるような思いを陽ちゃんにはさせたくなかった
「陽ちゃん家帰ったら沢山キスできるから」
「今がいい」
「陽ちゃん……」
困ったなぁ……。
ずっとクールで何に対しても反応が薄くて
どちらかって言えば俺がうざったいほどに陽ちゃんにまとわりついていたんだけど
付き合った今、俺がずっと見てきた陽ちゃんは幻だったみたいに消えてクール所か甘えん坊だ
ましてや何よりも正真正銘のマゾって事実にも今もまだ若干追いつけてない程に驚き
ツーンとそっぽを向いたまま
陽ちゃんが敷いたレジャーシートの上で体育座りをしている
もうここまで来たらどうしようもない
意を決すると、理性を一旦放り投げて陽ちゃんを引き寄せた
「陽ちゃんこっち」
「え……っ」
「もう、あんまり困らせる事ばっかしたら本当に怒るからね?」
驚いている陽ちゃんの頬を両手で包んで目を覗き込む
猫目で澄んでいる瞳はキラキラしていて
引き寄せられるようにパンフレットで顔を隠すと陽ちゃんにキスをした
「んっ、ふ……んぅ……っ」
「……陽ちゃん、可愛い」
「やっ、あ……もっと……」
「ダーメ。 続きはお家で」
「……」
「我慢出来たら沢山好きなことしてあげるから」
「……我慢、する」
「いい子だね」
ニコニコ笑って猫っ毛の髪を撫でてやると気持ちよさそうに陽ちゃんが瞳を閉じて擦り寄ってきた
祥さんは目元にホクロがあるけど
陽ちゃんは赤い口元にホクロがある
なんだかそれが色っぽくて
1度キスをしてしまったからか俺も多少気持ちが揺れてきたし
いけない、ってやましい気持ちを振り払う
一方陽ちゃんはキスをして満足したのかポーっと頬を赤く染めてほんの少し微笑んでいて
機嫌直って良かったなんてほっと安心しながら、トイレへと席を立った祥さんの帰りを今度は2人仲良く一緒に待った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
209 / 507