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初出張 …4
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数秒後、伏せていた俺の目に男性の足が写った。
「あの、もしかして、T制御エンジニアリングの佐藤さんですか?」
「え?ハイ!」
声をかけられて慌てて顔を上げると…
そこには、先ほどの美人さんが。
えっ?何?
俺が見過ぎてて、気分を害したとかっ?
「あ、私は小栗です。今回の製品担当者です。」
慌てる俺に反して落ち着き払ったその男性は、そう言って名刺を差し出した。
S電機株式会社 開発部 第一課
小栗 雅治
と、名刺に書いてある。
「あっ」
小栗 雅治(おぐりまさはる)さん!
今回の仕事のメーカー担当者だ!
俺は慌ててポケットから名刺入れを取り出した。
「すみません。さっきから待っていてくれたよね?まさか、今回の担当者が君みたいな若い子だとは思わなくて…佐々木さんはどうされたんですか?」
…と言うか、何これ。
この人のオーラ、すごすぎ!
なぎ倒されそうなくらいすごく威圧的なものを感じる。
ちょっと怖いくらい。
俺、人見知りはあまりしないタチなんだけど、緊張してなかなか頭が働かない。
あわわ。
えーっと、あ、
とりあえず挨拶しなきゃ!
「す、すみません!初めまして!さ、佐藤陸です!えーと、佐々木さん……佐々木は今、トイレに行ってまして。
あっ、今回は宜しくお願いします!」
慌てながら深々と頭を下げて名刺を差し出した。
小栗さんは俺の慌てた様子が可笑しかったのか、クスリと笑って「宜しくね」と言いながら名刺を受け取ってくれた。
おお!笑った顔も美人だ!
てか、俺の顔が熱い…真っ赤に違いない…
恥ずかしさなのか、その笑顔にグッときたのか…
とにかく顔が熱かった。
赤い顔を見られたくない、と顔を下に向けた時、バタバタと佐々木さんが戻って来た。
「ああ!小栗さん!お待たせしてすみません!トイレに行ってまして。」
「いいえ。私も少し遅れてしまいました。それに佐藤さんにすぐに気付けずに…。まさかこんな若い子だとは思わなくて。」
「ははは。今回、佐藤は初めての現地作業なんですよ。色々とご迷惑をおかけすると思いますが宜しくお願いします。」
そう言って頭を下げた佐々木さんに習って、俺も慌てて頭を下げた。
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