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週末ドライブ …4
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最初の目的地は、奥多摩に入ってすぐのお蕎麦屋さんだった。
休日だからか人が多くて、お店の外で少し待たされたけど、その時間でさえ楽しかった。
二人で向かい合ってテーブルに座ると、やけに緊張した。
向かいにハリウッド俳優オーラの人が座ってたら緊張しない訳ないでしょ?
女の店員さんや周りのお客さんが、雅治さんを見ると頬を染める。
以前はやきもちを妬くだけだったけど、俺の彼氏だと思うと、心に余裕と言うか…誇らしい気さえした。
お蕎麦はすごく美味しくて、また来たいねって話した。
それから、川沿いをドライブ。
窓を開けて走ったら、とても気持ちが良かった。
車を降りて散策して、滝を眺めたりして涼む。
癒されるー…と言いたい所だけど、雅治さんが隣にいると、ちょっと緊張する。
心地の良い緊張だけど。
女性とすれ違うたびに、雅治さんの事を女性達がキラキラした目で見ていく。
俺の彼氏だよ!って言いふらしたかった。
…出来ないけど。
途中、手を繋いで歩くカップルとすれ違った。
あぁ、俺が女なら…俺たちも手を繋いだり腕を組んだりして歩けるのになぁ。
でも、男同士で、人前でそんな事する勇気は…ない。
なんて考えながら、雅治さんに寄り添うように近付いて歩いた。
これくらいなら…良いよね?
雅治さんは逆ナン除けなのか、車外ではずっとハリウッドオーラを出してる。
そんな「声掛けるな、近寄るな」って雰囲気の隣に入ることが許されてる俺。
手は繋げないけど…特別な感じは出てるよね?
ふふっ
「ねぇ、この近くに有名な鍾乳洞があるんだけど知ってる?」
車に戻りながら雅治さんが聞いてきた。
「はい。子供の頃、家族で行ったことありますよ。あまり覚えてないけど。…あ、でも今の時期はすごく混んでると思いますよ。駐車場に入るのすら大変じゃないかなぁ?」
「そっか…じゃあ鍾乳洞はやめとくか。そう言えば、陸はこういう自然とか好き?アウトドアとか」
「自然は好きです!アウトドア派かと聞かれたら悩みますけど、好きですよ?自然の中で遊ぶのは」
「へぇ。いつか陸とバーベキューとかしたいね」
「いいですね!!お互い友達呼んで、バンガローとか借りて泊まりでワイワイやったら楽しそう!」
俺のその言葉に雅治さんが少し考える素振りをした。
「泊まりは、ダメ」
「えー?楽しいですよ?」
「他の奴らがいて…陸と泊まりで、何も出来ないとかダメ」
そっちかー!
もー!!恥ずかしくて顔が赤くなっちゃったじゃん?
でも…雅治さんとそういうアウトドアな遊びもしたいなぁ、と唇を尖らせると
「冗談だよ。いつか、そういうのも計画しよう」
と言って、微笑んでくれた。
うん。
楽しみ!!
それから再び車に乗り込んで、湖のそばを少し走ってから、また、車を止めた。
湖の周りを少し散策して、湖を横断する浮き橋を渡ることにした。
ドラム缶みたいな浮きの上に橋が架かっていて…結構揺れる。
ちょっと怖い。
橋の途中で、ぐらりと足元が揺れて転びそうになった。
「うわっ!」
コケる!と、思ったけど、そんな事はなく…
雅治さんが腕を取って支えてくれた。
「大丈夫?」
「う…はい。ありがとうございます」
こういうの、本当にカッコいい…
対岸からまた戻ってくるとき、橋が揺れる度に雅治さんが背中に手を添えてくれた。
…触れられた部分が、熱い。
「ありがとうございます」
と伝えると
「ん」と、一言だけ答えてふわりと笑ってくれた。
こういう要所要所に自然に出るエスコートは、女性に慣れてるからかなぁ。
それを思うと、なんか複雑な気持ちになる。
きっと…今までにたくさん彼女がいたんだろうなぁ。
きっと美人で、スタイル良くて…そんな女性達が隣に立つ姿は、容易に想像出来た。
やっぱり…
俺なんかで良かったのかなぁ…
雅治さんなら、どんな良い女でも選り取り見取りだと思う。
なのに…なんで俺なのかな?
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