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二人の夏休み …5
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「〜っ!分かったから!」
そう言って雅治さんはガバッと起き上がって、リビングへ行き、ドアモニターかな?に話しかけるのが聞こえた。
「はい…」
『おはよー!雅くん!下のドア開けてー!』
ん?
女性の声…しかも「まさくん」って?
何か操作したのか、ピピピと音がした。
下のドアって、エントランスのドアかな?
雅治さんが寝室に戻ってきてベッドに腰掛けた。
「ごめん。今の、姉貴…。玄関で用事済ますから、そのまま寝てて」
「えっ⁈あ、はい」
お姉さん⁈
なんか声からするとすごいパワフルな感じの人。
雅治さんは、息を長く吐き出して…多分、昂ったモノを落ち着かせていた。
男って、こういう時大変だよねぇ…
暫くして、再びインターホンが鳴った。
雅治さんが俺の頭をポンッと叩いて寝室を出て行く。
玄関のドアを開ける音がしたと思ったら…
「もー!雅くん、いないと思ったー!はい、これ!おばあちゃんとこで預かった荷物!」
「おはよう。朝からごめんね」
あれ?他に男性の声…お姉さんの旦那さん?かな?
「あ、おはようございます。つか姉貴、なんで今日来るんだよ?」
「え?この日なら朝いるって言ったジャン?」
「それ、昨日だし…」
「あれ?そうだっけ?ごめーん。とりあえず今日もいたんだから、良いじゃない!」
「あれ?この靴…雅治くんのじゃないね?お客さん?」
「あ、そーです。まだ寝てるんですけど…」
「えっ⁈雅くんに、とうとう彼女がっ⁈」
お姉さんの言葉にドキリとして、布団の中で小さくなる。
「うるせーよ」
雅治さんが、珍しくイラっとした感じで返事した。
お姉さん、彼女って…
俺の靴、男物のスニーカーですけど。
ただ…すごく些細な事だけど、今、雅治さんが「彼女」と言う言葉を否定しなかったのが、とても嬉しかった。
「ほら、ハルカ、邪魔しちゃ悪いから、もう行こう」
「えー!…ん〜そうね。じゃ、雅くん、またね〜!」
「お邪魔しました」
そんなやりとりの後、バタンとドアが閉まる音がした。
嵐のようだった…
ほうっとため息をついて、布団から出る。
リビングを覗くと、雅治さんが重そうな段ボールをキッチンの横に置くところだった。
「騒がしくして、ごめん」
雅治さんが「ハーッ」とため息を吐く。
「いえ。…お姉さんと、旦那さんですか?」
「そう。三回忌でばあちゃんちに行った時に、お中元の余りやら野菜やら色々もらって…姉貴にあげたつもりだったんだけど…なぜか返ってきた…」
再び雅治さんがため息を吐いた。
「すごく明るい感じの人ですね」
「前に言ったろ?口うるさいおばさんだって」
そう言って、キッチンの戸棚からマグカップを二つ取り出した。
「起きたついでに朝食にしようか?コーヒーとパンでいい?」
「あ、はい!…あ、手伝います!」
実はもうちょっとベッドでイチャイチャしたいな…とか思ったけど…
自分だったら、家族に邪魔された後にはそんな気にはなれないよなぁ…と思って、我慢した。
ちなみに、昂ってた俺のモノは、お姉さんの登場にビックリしてもう萎えちゃってた。
今日も一日中一緒にいるんだし、今夜も泊まるんだし…
なーんて、今日の夜のことを考えてたら、無意識のうちにニヤニヤしていたらしく「何かあった?」と雅治さんから指摘されるまで顔が緩んだままだった。
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