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237 (R18)
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シーツの上をゆらゆらと泳ぐ身体。投げ出された腕は持ち上がることはなく、何度も絶頂を迎えた慧のそれは、透明な蜜を垂らす。
色も匂いも、粘り気もない。それでも何かを吐き出そうとする下肢に触れると、のけ反らせた喉がひくんと鳴る。
「あっ……は……はぁ、あ……」
か細く頼りない声。掠れた嬌声は快感を伝える為でなく、受け容れるそれを軽減させる為のもの。
頭では、きっと限界なのだろうとわかっていて、もう止めるべきなのだと理解している。けれど、心と身体が追いつかない。
もっと触れて、もう少し繋がっていたい。更に深いところで1つになりたい。
だから腰を進める。相手に合わせる動きではなく、自分の本能を優先した動きに慧が啼く。泣いて許してと訴えているのに、目を眇めて見えないふりをする。
「リ……ちゃ、もう……もう」
「なに?慧、なんて?」
「やっ、む……り、だ……ら。やめっ──あっ……い、やっ」
とうとう何も零さずに果てた慧のそれが頭を下げ、蕾が弱く伸縮を繰り返す。中を蠢く蠕動も微かで、快感なんてとうに通り越しているのだろう。
でも駄目。まだまだ、まだまだ足りない。
どれだけ言葉と態度にしても伝えきれない想いが、際限なく奥から湧き出てくる。
「慧……けい」
名前を呼べば、慧が視線だけをこちらに向けた。潤んだでは済まない瞳は充血し、瞼まで赤く染めて辛そうに震える。でも、それでも足りない。
「もう少し……っ、は……もう少しだけ、ね」
解放されると信じていたのか、俺の言葉を聞いた慧が目を見開く。慄いた唇が紡ぐのは「やめて」と「許して」そして、聞き取れないほどの小声での「駄目」
「ごめん、止まるのは……無理。諦めて」
力が入らず投げ出された脚を抱え、大きく割り開く。俺のものを銜えた後孔は腫れ、赤らむ肌に白の欲を纏って濡れていた。
何度、ここに出したのかわからない。果てては耐え、欲が湧き上がれば果て。コントロールを失った欲望を叩きつけた奥は、きっと悲惨なことになっているだろう。
「はっ……は、くっ……やっばぁ……もう、溶けそう」
触れ合った肌の境界線がわからなくなるほど。混じり合った体液が、どちらのものか判断できなくなるまで。
ずっと、ずっと繋がっていたい。
「……ちゃ、ん。リカ……ちゃん」
うわ言のように名前を繰り返す唇を塞いで、奥に隠れている舌を引きずり出す。何度も吸って食んでした唇は、明日には赤く痛むかもしれない。でも、それでいい。
どうせ枯れた喉じゃまともに喋れないのだから。
力の入らない下肢じゃ、歩くことも困難なのだから。
だから、もっと2人だけの時間を楽しんでしまえばいい。
「やだ、もう……もうやだ、も……おかしく、なるっ」
嫌だと首を振り、最後の力を振り絞って逃げようとする慧に、心が軋む。ぎしぎしと音を立てるこの感情の正体は『切なさ』なのだと思う。
どうしても1つになれない。だから苦しい。
けれど別々だからこそ愛おしい。
自分とは違う考え方をしている君が、とても眩しい。
結局、どう足掻いても俺は兎丸慧を想うことしかできない。どんな兎丸慧でも愛することしかできない。
それならば、せめて今だけは……今、この瞬間だけは。
「なってよ。俺は、ずっと前からおかしいんだから……っ、だから……お前も同じくらい、おかしくなれよ」
それくらい望んだって、罰は当たらないだろう?
大きく晒した後ろの蕾に、情けない羨望を込めた楔を打ち付ける。ぐっと締めつける内壁が受け入れてくれた気がして、身勝手にも安堵の息を吐いた。
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