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「ずっとこの部屋から眺めてた。…帰る君の姿をここからずっと見てたんだよ」
窓辺に寄った鷹野がウットリとした目でこちらを向く。
「綺麗な綺麗な兎丸君。その何にも興味ないような冷めた目にゾクゾクしたんだ」
気持ち悪い…。気持ち悪くて今すぐ逃げ出したい。
「けれど最近になって君の目が何かを追っているのに気づいた。
それがあの人だって気づいた時には驚いたよ」
鷹野の顔が歪む。
苛立ちを露わにした顔だった。
「あの人…どんなに探ってもボロ1つ出しやしない。それどころか優等生の俺に騙されないんだ。手っ取り早く既成事実でも作ってやろうとしても触れもしないし。
なんなの、あの人インポテンツなの?」
コイツは何かが壊れてる。
無意識に身体が震える。
それが恐怖からなのか、それとも怒りからなのかはわからない。
「この写真バラまかれたらあの人も終わりだね」
「お前……人間のクズだな」
声が霞む。
でも負けたくない。
リカちゃんに迷惑はかけたくない。
俺を見つめる鷹野がにっこり笑った。
そして俺は地獄へ突き落とされる。
「もう一つ、見せたい……いや、聞かせたいものがあるんだ」
写真の横に置かれたスマホ。その画面に鷹野の指が触れる。
『リカちゃん……っ、イク、イッちゃ……』
『リカちゃん、リカちゃんっ!』
乱れた吐息とリカちゃんを呼ぶ俺の声。
それは紛れもなく俺とリカちゃんがセックスをしている証拠だ。
あの日抑えきれなかった声がここに残されている。
「あの人の声は残念ながら録れなかったけど、十分何してるかわかるよね?
ダメだよ、学校でこんな事しちゃ」
指先まで冷たくなってゆく。
鷹野の声が頭に響いて俺を雁字搦めに締めつける。
「俺のモノになってくれるよね?」
リカちゃん……リカちゃん。
リカちゃんリカちゃんリカちゃんリカちゃん。
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