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「桃………念のため言っておくが襲うなよ?」
「襲わないわよ!!」
「…歩君が心配だ。こんな狂った猛獣と一緒にしていいんだろうか」
「逆にあたしの心配しなさいよ!」
桃さんがビシッと美馬さんを指差すがもちろんそれは無視される。
美馬さんの陰から顔だけ出した兄貴はニヤニヤと凶悪な笑みを口に浮かべ、目を細めた。
「言っとくけど俺セックスしたか、してないか即わかるからな」
「どんな特技なのよ!どうせ自分はするくせにっ!」
「え、聞かれても教えねぇよ?」
「聞かないわよ!!聞かなくてもわかるもの!」
見捨てていった2人が帰れば、家には俺と桃さんの2人きり。
こうしてガチガチに意識されてると余計からかいたくなるのは俺だけだろうか。
1歩、桃さんに近づけば同じだけ離れる。
また1歩近づき後ずさられ…また近づく。
それを繰り返す事数回。
トンッ。
しまった!と桃さんが気づいた時には遅い。
後ろは壁。前には俺。
そして、その顔を跨ぐよう左右に両手をついた。
……絶対に逃しはしない。
「ど、退きなさいよ」
「退いたら逃げません?」
「逃げ…「ないって約束したら退きます」…っ、」
渋々頷いた桃さんに満足して両腕を元に戻す。
そして道を開けようと身体を離す……フリをして、その腕をひいた。
油断していた桃さんは勢いよく俺の胸の中へ。
目下に来たうなじに唇を当て、耳の後ろまで滑らせる。
「早くしないと桃さん食っちゃうかも」
そう囁けば面白いほど赤くなる。
「いい?」
「だっ…だめ!!!」
俺を突き放し、耳を押さえる。
やっぱり可愛い。
どう考えても26歳には見えない仕草に、緩んだ頬はしばらく戻せそうにない。
空いていない腹に詰め込んだ焼きそばがとても美味く感じた。
…キザだけどこれが『愛の力』なんだと思う。
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