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9にしおりをはさみました!
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9
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「⋯⋯さんた、」
「なんやの」
「俺もうへいき⋯かえるから、ありがと⋯⋯おさまった。」
「治まった?まだ顔赤いやんか。アルコール舐めたらあかんで未成年が」
「ちがっ⋯⋯いたいの、なおったから大丈夫⋯サンタがよしよししてくれたおかげ」
鼻をすすって、涙を拭いて、また無理して笑顔を作ろうとする。
だからそういうとこ。
そういうことが、嫌いやねん。
「さんた⋯?」
俺の感情を察したのか、顔を覗き込んでくる。
「まきまき、体熱いな。」
「うん⋯?そうかな」
「上脱げる?」
「えっ」
「腕上げて」
言われるがままに腕を上げる。俺の服がぶかぶかやったから、案外簡単に脱げた。
「さんた⋯まだあつい⋯」
「大丈夫。」
「⋯⋯あれ、なんでサンタまで服ぬいでるの」
「あ?なんでって、まきまきの体冷ますためやろ?」
「そう⋯なの?」
「そうやで。こやって抱き合うねん。」
白い肌の小さい体の、脇の下に手を入れて
背中を手のひらで包むように。
「さんた冷たいな⋯」
「ちゃうわ。まきまきが温かいねん」
そっかぁと呑気に、ふふっと笑う。
抱きしめながら、ゆっくりベッドに押し倒して、布団でふたつの身体を覆った。
「うっすい体⋯」
「ん⋯」
薄いけど柔らかいな。
ずっと触ってたくなるような、心臓がザワザワするような心地よさ。
あともうちょっとで何か、切れそう。
理性を保ってる鎖が、一気にはち切れそうな雰囲気。
「さんた⋯」
「なんや」
「さんたは俺のこときらいかもしれないけど⋯⋯」
意識がハッキリしてないんやろう。ふわふわした声で、耳元で呟く。
「まきまきもうええから寝とき。」
「俺は⋯さんたのこと⋯」
あかん。非常にまずい。
「おい、もうええって⋯」
切れる。
耐えてたものが溢れる。
「さんたのこと⋯⋯けっこう好きだよ⋯」
あかんって。
「まきまき、」
無理。
ほんま、ぐちゃぐちゃにしたくなる。
今すぐ喉元に噛み付いて、殺してしまいそうなほど。
裸で触れ合ってるのを意識しだしたらもう遅い。
「⋯まきまきの、これ、何のにおい?」
「俺なにかにおいする⋯?」
「⋯うん。いいにおい。」
目眩がするほどに。
理性に包まれてた物を引っ張り出されるようなにおい。
細い首筋。ほんのり赤い。
「まきまき、」
「⋯なに、さんた」
「寂しいんやったら、今から俺のことりゅーくんと思ってくれてええから」
「⋯⋯?」
「まきまきがりゅーくんにして欲しいこと、したろか?」
「⋯え、」
「なんでも。」
「さんたが、おにづかになるの⋯?」
「そう思ってて。俺のこと鬼塚って呼んでええから。」
ハンガーに掛けてあるネクタイを取って、まきまきの目隠しにして後頭部でしばった。
「ね、さんた⋯これ」
「" 鬼塚 "。俺は今サンタちゃうよ。」
「⋯う、」
「ホラ、呼んで。」
「え、⋯⋯おれ、」
「⋯まき、呼んで。俺の名前。」
「おっ、おに、づか⋯⋯?」
その小さな唇が、震えながらも呼ぶ姿に、
ぎりぎりと胸が締め付けられる。
酔ってる今のうちだけ、
俺の好きにさせて。
そう心の深くで呟いて、
首に、優しく唇を落とした。
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