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王宮 1 (シローside)
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馬車のドアに手をかけ、型通りにわずかに首を垂れて、主が地に降り立つのを待つ。
主を抱きしめる腕を解くのが忍びなく、結局は中に出されたものを掻き出さずにいたのが悪かったようだ。
必死に奥を締めて動いてはいたが、溢れてきたらと思うと、気が気ではなかった。
「……オマエから未だ色濃くオレの匂いがすンのは、何でだろうなァ?」
すれ違い様に、耳元で濡れた声でささやかれ、カァッと首筋が熱を持つ。
浅ましく疼いた奥から、トロリと主が放ったものが溢れてくるようで、必死に奥を締め、荒くなる呼吸を殺した。
「ずいぶんと色っぽい顔をして、どうした?」
不意に聞き覚えのある声がして顔を上げれば、リンが微笑みながら立っていた。
傍には正装したルイの姿もある。
「……テメェは、人の執事にいちいち色目使ってンじゃねェぞ、コラ」
「おまえこそ、慣れない身体にあまり無理をさせるな。かわいそうに、震えてるじゃないか」
「そりゃ、締めンのに必死だからだろ。何しろ、ナカにオレのが……」
「主……っ」
放っておくと止めどなく際どくなる会話に、慌てて割って入った。
「……ここをどこだと思っているのです?」
キツく睨めば、その目がイイと、目を細め、頬を撫でられた。
「……スゲェ、ソソる」
「……っ」
思わずピシャリと腕を払えば、周囲が騒めき立つ。
あの執事、主を叩いたぞ……?
それにしても、何だ、あの毒のように甘い声と空気感は……?
知らないのか? あれが彼の有名なリュー・ローズウェル伯爵だ。
盛大に陛下を振って、出入り禁止になったっていう!?
し……っ、おまえ、声が大きいぞ……!
耳に次々と貴族達の噂話が飛び込んでくる。
「……ったく、暇人どもが、るせェこった」
主が髪をかき上げ、ため息をつく。
「とりあえず、寒ィ。中に入ろうぜ」
主が大きく歩を進めると、気圧されたように人垣が割れた。
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