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はぁ…
だりぃ…
なんで俺がせっかくの夏休みにこんなことしなきゃいけねぇんだよ…
「おーい!一樹!次こっち来てくれ!」
またお呼びか…
「はいよー」
俺の名前は村上一樹(むらかみかずき)
大学2年生。夏休み真っ最中。
なのに現在パシられ中。
せっかくバイトも休みだし、1日中寝て過ごす予定だった俺の予定は朝早く部屋に乱入してきた親父のせいでぶち壊された。
なんでも、明日地元の中学校の校庭を使って行われる夏祭り会場の設営に人手が足りないらしく、家でゴロゴロしている1人息子に白羽の矢を立てたそうだ。
夏祭りの会場に中学校を使うんだしもっと中高生を参加させろよな…
なんで若者がほとんどいねーんだよ…
悪態をつきながらも黙々と作業を続ける俺は、どうにかしてこの苦痛な作業から逃れる方法はないかと考えていた。
すると遠くに、木陰で休んでいる人影を見つけた。
俺も休みたいのに堂々とサボるとはいい度胸だ…
最初は文句を言ってやるつもり満々だった俺だが、近づくにつれてその人影が予想以上に小さかったことに驚いた。
「こんにちは。こんなところに一人でどうしたの?」
声をかけたその人影の正体は見た目小学生くらいの少年だった。
しかし中学校のジャージを着てるところをみると中1かな?
「あっ…こんにちは。暇だからお父さんに付いてきたんですけど、手伝おうとしたらお前は危ないから見てろって言われちゃって…。」
少年は女の子のような綺麗な顔立ちをしていて、人懐っこい笑顔を浮かべながらも、どこか寂しそうに答えてくれた。
「なるほどな。まぁ確かにステージ設営なんて力仕事だし、子供にはちょっとキツいかもなー。」
遠目で見て働けと一喝してやるつもりで来たものの、俺だってこんな幼気な中学生に炎天下の元で力仕事をさせるほど鬼じゃない。
そうだ。いいことを思いついた。
「こんな暑いのに見てるだけってのも退屈じゃね?なぁ、ちょっと抜け出しちゃおうぜ。」
「え…?」
キョトンと固まる少年をよそに俺は親父に飲み物を買ってくると一方的に告げて近くにあるコンビニを目指して少年を連れだした。
「暑くてやってらんねーもんなぁー。そういや名前聞いてなかったよな?俺の名前は一樹。村上一樹。君は?」
「…宮本竜樹(みやもとたつき)です。」
「竜樹くんね。そのジャージ、中学生だよな?1年生?」
「……3年です。」
「ゲッ…そ、そっかそっか!3年生か!すまんすまん!」
「まぁチビだからよく小学生に間違われたりしますけどね…。」
なんとなく地雷を踏んでしまった気まずい雰囲気を誤魔化しながら俺と竜樹はコンビニへと歩を進めた。
これが俺と竜樹の出会いだった。
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