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恋人たちの祭り 5
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チョコレートがいくつか無くなって、ワインも半分以上を開けたところで、ミカがアルに赤とピンクの包装紙で包まれた箱を手渡した。
「これは僕から」
「ありがとう」
「開けてみて」
促されてリボンを解き、ラッピングを破って箱を開ける様子をミカがニコニコしながら見つめる。
アルは何が入ってるのだろうとワクワクしながら箱の蓋を取った。
白やピンク、パステルブルーがまず目に飛び込んできて、ふわふわのフリルがたくさんあることに気付く。
手に取ると透けるほど薄い布地で、さらさらと触り心地が良い。
「…これ、何?」
両手で持ち上げて広げてみると、どこかで見たことのあるような形だとわかる。
「見れば分かるでしょ」
ミカのニコニコ顔が楽しげに揺れている。
「一応確認するけどさ」
「うん」
「俺、男だよ?」
「知ってるよ」
「これ、女性用だよね?」
「違うよ。ちゃんとメンズサイズだよ?」
フリルたっぷりのベビードールと、これまたフリルたっぷりのスキャンティ。
どこからどう見ても女性用ランジェリーだ。
「男性用にそういうランジェリーとか、服とか化粧品を扱うお店があるんだよ」
心なしかアルの手がわなわなと震えている。
「で、これを俺にプレゼントしてどうしろと?」
「決まってるじゃん。アルに着てもらうんだよ」
語尾にハートが見えるのは気のせいなんかじゃないよな。
「確かにセクシーな下着を贈るのもアリだって聞いたよ。でもさ、これって俺じゃなくてミカが得するだけじゃん!」
ランジェリーを持つアルの手は、その薄い布を破らんばかりに強く握られている。
「え? アルも可愛くなれて嬉しいでしょ?」
「んなわけあるか!」
アルはベビードールとスキャンティを箱に戻すと、すぐさま蓋をして宣言した。
「絶対に着ないから!」
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