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あなたを愛します 15
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まだ体力が戻ってないから、とアルはミカをベッドに横たえた。
アルがキスするとミカの手が背に回った。
それから肩、腕、胸とさするように撫でていく。
その間にもキスは徐々に深くなっていて、アルの方が酸素を求めて唇を離した。
ミカの肩口に顔をうずめてアルがミカを抱きしめた。
「ミカ、愛してる」
ミカはアルの後頭部を優しく撫でた。
「僕も。愛してるよ、アル」
アルはミカの首筋にキスマークを付けた。
「誰にも渡さない。何にも奪わせない。俺のだ」
「そうだよ。アルのものだ」
アルは荒々しくキスを再開した。
ミカの全身を唇で、手の平で、頬で、くまなく触れていく。
アルは心の内で叫んでいた。
ミカだ、ミカだ、これはミカだ、ミカがここにいる、と。
それは不安からだったのかもしれない。
ミカの存在を五感全てで確認したかった。
ミカを視覚、聴覚で感じるだけでなく、触れて、舐めて、匂いを吸い込んで、ミカで満たされていく。
それでようやく安心した。
ミカが生きてるのは幻想ではない、現実だ。
ここにミカがいる。生きてここにいる。
アルは泣きそうになりながらミカを抱きしめた。
「アル、怖かった?」
ミカの体を隅々まで確認し終えたアルに、ミカは訊ねた。
「うん」
「ごめんね」
「ううん」
「僕もね、怖かった。アルが大学生の時の事故で君を失うんじゃないかって思った時、…怖かった。同じ思いをさせてしまったね。それにね、僕は父を事故で亡くしてる。だから余計にアルの気持ちが分かるんだ」
ミカはアルの後頭部を何度も撫でた。
「だからアル、もういいよ。我慢しないで怖かったって言っていい。急に会社を負わされたことより、独りになる恐怖の方が辛かったって、言ってもいいんだよ」
アルは首を横に振った。
だが、とうとう顔を隠したまま声を上げた泣いた。
アルがひとしきり泣いてから、ミカは体の位置を変えアルに伸し掛かった。
「泣いてくれてありがとう。僕を失いたくないと思ってくれてありがとう。嬉しいよ、アル」
ミカは何でもお見通しだ。
いつも分かってくれて、欲しい言葉をくれる。
アルはそれでも見栄を張って
「当たり前…」
と答えた。
「ねぇ、アル、僕にもアルを味わわせて」
ミカはアルにキスすると、アルがしたのと同じように体中を手の平で撫でた。
時に掠るように、時にじっと、アルの肌の上でミカの少しかさついた手が動いていく。
触れられたところが温かくて、そして熱くて、全てから刺激を受け取って、アルは小さく喘いだ。
ミカがアルの胸の真ん中に手を置き、空いた手でアルの手を取った。
「アル、感じる?」
そしてミカの胸の真ん中にアルの手を当てた。
「僕の鼓動。君の鼓動と同じだ」
生きてる証拠。
ミカが自分に興奮してくれてる証拠。
そして、自分も同じくミカに欲情し胸が高鳴っている。
ミカが熱いキスを落とした。
「アルの中に入りたい」
色を孕んだ瞳で見つめられてアルの目が潤む。
「うん、欲しい」
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