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arbre généalogique ~mére~ 2
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ミカの母ヘリュからの手紙には2ヵ月前に余命半年と言われたこと、意識のある内に一度会いたい、遠いだろうがフィンランドに来てもらえないだろうか、と連絡先が書いてあった。
ミカは信用しても良いものかどうかわからないが、もし本当だとしたらと考えて電話をしてみた。
実際に電話に出たのはヘリュではなく、現在の夫キュヨスティだったが、彼は大変喜んでくれた。
病状は落ち着いているが眠っている時間は徐々に伸びていて、今は一日の半分を占める。だから、なるべく早く会ってやってほしい、と話していた。
その後、何度かメールをやり取りし、ヘルシンキ空港まで迎えに行くと言ってくれたのでミカはそれに甘え、さらには宿も取らないで泊まってくれと言われ、フィンランド滞在中はヘリュの家にいることになった。
ヘリュは電話で話せないほど体調が悪いわけではないがタイミングが合わなくて一度も話せないままだった。
彼女は長文のメールを書く体力が無いので顔を見て話したいと送ってきた。
キュヨスティとヘリュの間には子供が2人いる。
つまりミカの異父きょうだいだ。
彼等もミカに会いたいと言ってくれた。
そして空港にアルとミカを迎えに来てくれたのは彼等だった。
「初めまして、ミカ。オレがあなたの弟にあたるリクです」
「初めまして。私が妹になるシニッカです」
握手を交わし、ミカが礼を言い、アルを紹介して、車に乗り込んだ。
ヘリュたちが住んでるのは空港から車で3時間ほど行ったところで、牧場を営んでいる。
見渡す限り牧草と森と湖で何も無いところだとリクが笑った。
自然が豊か過ぎて驚かないでくださいね、とシニッカも笑った。
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