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⑤
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一ノ瀬くんにシャワーを借りた俺は、上からお湯を浴びていた。
下半身に残っていたのか、それと共に流れる白濁した液体を見ると、何とも言えない気持ちになる。
(クリーニングに出さないとな……)
スーツの下くらいはクリーニングに出さないと、もうあれは着たくない。というか、着れないだろう。
「はぁ……」
ほんとに何してんだろ。
あんな醜態、一ノ瀬くんに晒してすごく恥ずかしい。思い出すだけでどうにかなりそうだ。
頭から湯気が出るのではないのだろうか。
(…てか)
もし俺と一ノ瀬くんが正式に付き合うとなったら、どうなんだろう。あれ以上のことをするってことなんだよな。
「あれ以上、の……」
俺、突っ込まれる?
また、あんな思いしなくちゃいけないの?
嫌だ。一ノ瀬くんに、そんなことされたくない。
(気持ち悪……)
それを考えると吐き気がして、思考を停止した。
だって、あんなのは絶対に痛いし、男性が俺の中に入ってくるのが嫌だ。
怖い。
(…やめよう)
過去の嫌な記憶も、全部さっぱり無くなってしまえばいい。また昔のことを思い出しそうになって、グッと拳を握った。
▽ ▽ ▽
浴室に入る前に使ってと言われたバスタオルで身体を拭き、一ノ瀬くんに借りた服を着る。
普通のゆるいジャージだ。
「…あの」
浴室を離れ一ノ瀬くんの姿を探すと、一ノ瀬くんはキッチンに立っていた。
「ああ」
一ノ瀬くんは俺の顔を見るなり、そうだ、と言葉を続ける。
「佐伯さんの下着、洗っておきました」
「…………」
俺はしばし停止する。
洗ったってことは、触ったってことだよな……?あの白い液体で汚れたやつを。しかも、他人の……
次第に恥ずかしくなって、俺はわなわなと震えた。
「…何やってるんですかぁ!?」
涙目になりながら、思わず怒鳴る。
俺はどれだけ申し訳ないことを一ノ瀬くんにさせてるんだよ!もう泣き崩れたい。
「そんな大したことじゃないですよ。別に汚くないので」
「汚いです!」
「大袈裟ですね」
一ノ瀬くんは苦笑いした。
「あ、佐伯さんホットミルクとか飲みますか」
一ノ瀬くんはなんでそんなに冷静なんだ。こっちはホットミルクどころじゃないのに。
ああ、今すぐ消えて無くなってしまいたい。
「…飲みます……」
俺は落ち込んだテンションで答えた。
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