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再現①
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神代は微笑む。
俺はこうなった原因のある過去を全て思い出し、ガタガタと震えた。どうしてまだ俺のことを覚えているんだ。
「懐かしいですねー、陽裕さん」
笑顔。声。背丈。話し方。
どう見ても洸平だ。
初めて会った時はあんなに親しみやすいだなんて思っていたけど、その笑顔も今じゃただの恐怖でしかない。
「止めろよ……」
弱々しい声しか出てこない。
神代は脚を組み直した。
「…陽裕くんさぁ、あの3日間の後、すごく男を拒絶するようになったよね。ほんと可愛い」
なんて口を曲げる。
こいつ、やっぱり知ってて俺に近付いたのか。
下衆。人の嫌がる顔を見るのが好きだとか、前に言っていた。
「もし逃げられるだなんて思ったら見当違いだからね。また3日間、仲良くしようか」
「お前ら、もう十分な大人だろっ……」
いつまでこんな幼稚なことを続けるつもりなのか。俺を家に帰せば、警察に突き出すことだって出来るのに。
俺は神代を睨み付けた。
だが、どこまでいっても神代の余裕ぶった態度が崩れることはなくて。
「これは大人の娯楽じゃない?」
そして、神代はソファを降りて、一歩一歩確実に近寄ってきた。俺は怖くて、身体を強張らせて神代を目で追う。
「…ぅ…っ……」
つ…と、神代の指が頬に触れた。
俺は固く目を閉じ、顔を下げることで神代を避ける。
お願いだから、もう俺に触れないでくれ。
「そんなに怯えないでよー、1回経験してるんだからさぁ」
また、やられるのか?
そんなの、嫌だ。
離してよ。開放してよ。助けて。
「ぅ……嫌っ…」
何とか過呼吸になり掛けるのを無理に押さえこみ、その代わりに涙が流れ出る。
もう、あんなのしたくない。されたくない。
(怖い……)
俺は、そっと目を閉じた。
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