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11.ドラマの打ち上げ-2
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特にヒロイン役のアイドルであるリリーは、壱成の側に一目散に行き、アルコールで赤くなった顔で声を掛ける。しかも、その可愛い顔を使い、甘えた声も出していた。
「お疲れ様でーす。壱成くぅーん、何飲みますぅ?」
語尾にハートのマークが見える気がした。アニメーションの台本が手元にあるなら、確実にそこにはハートマークが記してあり、ぶりっ子みたいなキャラが当てはまるとさえ思えた。
「リリーちゃんお疲れ。俺はジントニックもらおうかな」
「はーい。ジントニックですねぇ。私、持ってきますぅ」
そう言って、リリーはすぐにジントニックを取りに行く。
壱成はリリーがジントニックを取りに行ったのを知ってるくせに、ユキジを見つけるとその隣に座って来た。
ユキジは壱成が隣に来てくれた事が嬉しくて、少しだけ頬が赤くなってしまう。
「い、壱成。ご、ご飯は食べた?」
「食べてねーよ。終わって直ぐに来たからな」
「なら、食べないと。お酒飲むなら空きっ腹じゃ駄目だもんね」
ユキジはそう言うと近くにあった皿を取り、目の前の食べ物を綺麗に装った。
「さすが、気が利くな。頂きます」
それを壱成に渡すと、壱成は礼儀正しく手を合わせ、そのお皿に装われた物を直ぐに平らげた。
余程お腹が空いていたらしい。
ユキジはまた違う皿に手を伸ばし、新しい食べ物を装った。壱成は黙々とそれも平らげて、満足気にしていた。
「壱成くーん。お待たせー」
そんな壱成の隣に、リリーがジントニックの入ったグラスを持ち現れる。自分も新しいのを貰ったのか、さっきまで空だったグラスを手にしていた。
「はい。ジントニック」
「ありがとう」
「じゃ、クランクアップを祝してぇ。乾杯しよう」
そう言って、リリーは大きく開いたシャツから自慢の胸を見せながら壱成の腕を絡ませる。
そして、壱成の腕にその胸を押し付けていた。それを見てしまったユキジは、飲んでいた烏龍茶でゴホッと咽せた。
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