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4.冬椰壱成と言う男-9
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ユキジは洗面台に着くと、ハーッと盛大な溜息を吐いた。確かに、壱成が心配になるのも分かる。目が真っ赤だ。
「白目が赤い……」
泣くとすぐに白目だけが赤くなるこの目が憎い。青い場所は青いままなのに。
「イタッ……うー……」
両目のカラーコンタクトを外すと、右のほうが少し欠けていた。いつの間にか傷付けてしまっていたらしい。それを見て、だからこんなにも痛かったのかと納得する。
まつ毛だけのせいではなかった。
「おい」
「!」
コンタクトレンズに夢中になっていたユキジは、後ろに壱成が立っている事に気付かなかった。
顔を上げ、鏡越しに壱成の姿を見て驚きの顔を見せる。
「お前その目……」
「やっ!」
ユキジはその場に蹲り、両手で顔を押さえた。見られた。ユキジの一番見られたくない物を、この最低な男に。
壱成はユキジの青い目を見て興味が湧いたのか、近付いて来る。
それが、足音で分かった。
「来るな!」
「来るなって言われてもな……」
「やっ! 離してッ!」
そして、ユキジの両手をガシッと掴み、上へと吊るし上げるように上げた。
そんな事をされたら隠すものがなくなり、青い目が壱成に曝される。
そう思ったユキジは、両目をグッと瞑る。でも、それを強引なキスにより一方的に開かされた。
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