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9.朝、目覚めたら-1
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こんなにも、心が満足しているのは初めてだ。
それは、夢の中でも同じだった。
いつもは、色で例えるなら薄暗いような、そんな夢ばかりで、今日はそんな夢とは全く違う、綺麗な虹が架かったような、そんな綺麗な物を見た時のような夢だった気がした。
「ん……」
なんで、そんな夢を見たのだろう。そう思った瞬間、ユキジはハッと目を覚ます。
「ぼ、僕……」
そして、隣に寝ている壱成を見て思い出す。昨日の一夜を。
「ど……した……?」
そんなユキジに、壱成が声を掛ける。
その目はまだ寝たいと言っていて、ユキジはフルフラッと無言で頭を左右に振り、なんでもないと震える声で返した。
「フハッ、なんでもないって声してねーよ」
「!」
「なんだ? 昨日の事覚えてないのか?」
「ちが……」
「うよなー。あんな積極的に腰動かしといて覚えてないはないよな」
「!」
そんな事を言われ、赤面するユキジ。
何か一言言いたくなったが、何を話しても言い負かされそうで何も言わない選択を取った。
「でも、可愛かったよ」
「なっ!」
突然の甘い言葉に、ユキジは更に顔をタコ色に染める。心音も速くて煩い。
それに、身体を重ねたからか、壱成を好きだと思う気持ちが大きくなっていた。
「か、可愛くない……」
「可愛い。マジで」
「嘘」
「本当」
なんて馬鹿ップルな会話だろうか。
漫画のセリフでありそうな会話。それが、自分が言うなんて。言われるなんて。
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