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1.愛され過ぎて少し怖い-2
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仕事があるうちは幸せだと思うことにして、お願いされた物は受ける事にした。
「今回、俺の友人役だっけ?」
「そう」
「で、俺に片想いしてて、叶わない役」
「そ、そう……」
最初はその役になりきれるか不安はあった。
主演の壱成の幼馴染役である事は嬉しい。けれど、その恋は叶わず終わる。
当たり前だ。ドラマは普通の恋愛学園物だ。
ヒロインは今売り出し中のアイドルで、大きな目がクリクリしていてリスみたいで可愛らしいと評判の子だった。
「あの役はもう誰が決まったか聞いたか?」
「あの役って?」
「外人の留学生」
「あー。なんか、どっかの国のモデルって聞いたよ。監督とそのモデルの人の親が知り合いらしくて、頼んだら引き受けてくれたってマネージャーが言ってた」
「へー。なら、まだ日本には顔が知られてない奴なんだな」
「そうみたい」
外人の留学生。その子がこのドラマで引っ掻き回す役だ。
壱成とヒロインとユキジ。その3人にちょっかいを出す役で、ヒロインを強引に物にしようとしたり、ユキジの想いに気付き、その想いを嘲笑うように全ての初めてを奪う人間だった。
つまりは、その男とユキジはキスやそれ以上も重ねるという事だ。
でも、漫画とは違いドラマ版では、その部分は雰囲気だけで終わるだろうとマネージャーに言われた。
「ふり、だよな……」
「え? なにが?」
「キスやベッドシーン。するふり、だけだよな?」
その顔は心配している表情だった。その顔を見て、ユキジの頬が緩む。
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