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3.思い掛けない存在-10
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そんなユキジに、周りは気付いていないと思った。ユキジに注目してる人間なんていないと思っていたから。
でも、一人だけユキジの事を見詰めていた男がいた。ずっと、瞬きする事なく、ネットリとした熱い視線をユキジにだけ注ぐ。
けれど、超が付くほど鈍感なユキジ。
思考は壱成で埋まり、その視線に全く気付かない。
「僕も行くかな……」
周りがどんどん減って行き、自分とラウルだけになり、ユキジは動き出した。
控え室に戻ってから家に帰ろう。そう思った瞬間、先に出ようとしていたラウルが扉の鍵を閉めた。
ガチャッと音がして、ユキジはどうして鍵なんて閉めたのか不思議になり、本人に聞く。
「ど、どうして鍵なんて閉めたんですか……?」
その行動に、ユキジは身の危険を感じる。それに、ラウルの視線が痛い。
「あ、あの……」
ねっとりと絡め取られるようなそんな熱を浴びている。それは、さっきよりも。
ユキジはこっちを見て笑っているラウルの横を通り、自分で鍵を開ける事にした。でも、その手を掴まれ阻止される。
「な、なにす……」
「目……ブルーだろ」
「え……?」
「オレとおなじ……」
その言葉にドキッとなるユキジ。
なぜ、ラウルは知っているのだろうか。
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