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誰だ
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部屋に戻り、縁下と飯を食ってから学校へ行く準備をす
る。
「今日、大丈夫なのか、行っても。」
「ああ、多分大丈夫だ。まだ痛むけど、全然行けないほど
じゃないしな。」
「……そうか。」
多分縁下は、俺が言っていることを聞きたいんじゃないんだろう。でも俺がわざとそう返したのがわかって、もう何も聞かなかった。
それから俺達は準備が終わって、一緒に登校することにな
った。誰かと登校なんて、高校に入ってから初めてだ。
周りにも生徒が歩いていて、俺達の方をチラチラ見てい
る。あ、縁下もイケメンなんだった。昨日の今日でまずっかったかな。
それにしても、俺はこういう視線にはもう諦めているが、いつものそれとは違う視線を感じる。
俺の気のせいかな、とか思いながら、縁下と世間話なんかをして校舎へと向かった。
そして、自分の教室。
俺が席に着いていると、またまたあの視線を感じる。
俺を嫌そうに見る視線ではなく、なんか違う視線。
周りを気にしたいが下手に動くとそれだけで悪口を言われ
るため、あまり動くのは得策ではない。
その視線がとても気になるが、時間になってはっちゃんが
教室に入ってきたので、そこで一旦考えるのをやめた。
HRが終わっても、その視線はやまない。
あー、もう!
視線に耐えられなくなり、俺は視線のする方を向いた。
あれ?
そこには俺に視線をくれている奴はいなかった。
やっぱり俺の気のせいだったのか。昨日のことがあったせ
いで、視線にも敏感になっていたのかもしれない。
ああ、振り向き損だった、と思って前を向こうとしたら
突然バンっ!という音が俺の前で聞こえてきた。
何だ!新手の嫌がらせか!?誰だよこの野郎!?
と思って前を見てみると、そこにはオレンジ色の髪の毛をした奴が興味津々な顔で俺を見ていた。
「なあ、俺、朝見てたんだけどさ、縁下さんとどういう関係なんだ!?」
は……?なんだこいつ。嫌がらせ……では無いようだが
「あの、どちら様でしょうか……。」
おれは若干引き気味に尋ねる。
「あ、うん。俺は花咲優(ハナサキ マサル)って言うんだけど。縁下さんの舎弟なんだ!」
えー…。舎弟って…。なんでこんなキラキラした目で言ってるんだこいつ。
「お前、周りから嫌われてるじゃん?…あ、違うごめん!そういうつもりないんだけど…!でも、それなのになんで縁下さんと一緒にいたのかなって。」
なんだこいつ正直すぎて逆に何も思えない。清々しいほどにはっきりいうじゃねぇか。
「…お前、俺のこと嫌いじゃないのか。」
「……うっ、ごめんっ!実は今朝まではそうだったんだ。なんか周りの感じに流されてる自分がいた……とか言ったら言い訳になるんだけど……とにかく今までごめんっ!
でも、今は違うから!なんか、今朝のを見て、印象変わったっていうか……。」
うん、なんか一生懸命喋ってくれてる。
悪いやつでは無さそうだ。
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