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4月28日『ヨツバの日』(出会い編)⑤
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自分がまともな愛し方をできないのは百も承知。
甘やかして、甘えさせて、優しくして…そんな芸当、僕には地球が滅んでも無理だ。
最初の【試供】。
「ありがとうっ」
遊交室に入ってくるなり、ヨツバは、嬉しそうに声を放った。
ニコニコと笑みながら、僕に近づくヨツバ。
目の前に立ったヨツバの髪を無造作に掻き上げた。
「ヨツバ…、僕は君を試す前に、伝えておかなくてはいけないことがあります」
少し荒めに僕が掻き上げたヨツバの髪は、指に引っかかり、数本がプチプチと音を立てて抜けた。
小さな痛みに、ヨツバの顔が若干、歪む。
「僕は、…屈辱に歪む顔とか、羞恥に染まる頬とか、悲哀に泣き叫ぶ姿とか…そういうので興奮する質です」
言葉にヨツバは、きょとんとした瞳で、僕を見上げていた。
「苛められたから、痛い思いをさせられたから、愛されてない…そうは思わないでください」
じっと僕を見透かすように、突き刺さるような視線を向けるヨツバ。
その表情は、笑みも怯えも何も映しては、いなかった。
ただ、僕の言葉の真意を探ろうとしているように見えた。
「それが、僕の愛情表現だと思ってください」
刺さる視線が、痛くなる。
痛みや羞恥でしか愛を計れない、出来損ないの僕。
出来損ないの愛情。
「…ヨツバは、それを受け入れられますか?」
痛めつけられたり、辱めを受けたり…、それに耐えられないと言うのなら、君を買う必要なんてない。
それでも、君は、僕を慕える?
僕を…、愛せる?
じっと見つめる僕に、ヨツバは急に着ていたシャツを脱ぎ出した。
僕は、慌てて、ヨツバの髪を掴む手を、放した。
とんっと僕の肩を押すヨツバに、僕は、ベッドの上に腰を落とす。
ヨツバは、押し倒すように身体を寄せ、僕の膝に乗る。
「聞いてました?」
首を捻る僕。
ヨツバは無言のままに、僕のネクタイに手をかけ、しゅるるっと引き抜いた。
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