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5月23日 『キスの日』②【 END 】
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擽るように、ヨツバの舌先に舌を擦り合わせた。
「ふ……、んっ…………」
ヨツバは僕の舌に応えようと、必死に舌を伸ばす。
少しだけ、僕の口に入り込んでくるヨツバの舌を甘く噛む。
「ふ、ぁっ………」
気持ち良さそうに、薄く開いたヨツバの瞳が、潤んでくる。
痺れる感覚に、逃げるヨツバの舌を追い、再び差し込んだ。
上顎も頬裏も、満遍なく愛撫する。
「はぁ、ぅ……、ぁはっ……んっ…」
もっと、と、せがむようにヨツバは、僕のシャツの裾を下に引き、更に唇を寄せてくる。
飲み下せない、混ざり合った唾液が、ヨツバの口の端から滴り落ちる。
ヨツバの口から舌を抜き、滴る唾液を掬い上げた。
1滴たりとも漏らさぬように、ヨツバの口腔内へと戻した。
「んっ……んンっ…………」
ヨツバは、溺れたような声を上げる。
息を継ごうとする口を、角度を変えて塞ぎ、逃がさない。
「んふっ………」
ふっと一瞬、酸欠に白目を向くヨツバに、仕方なく、唇を解放した。
かくんっと落ちそうになるヨツバの背に腕を回し、支えた。
ふぁっ…と、やっとのことで酸素を吸い込んだヨツバは、とろりと蕩けた瞳で僕を見る。
「もっとしますか?」
くっと口角を上げる僕に、ヨツバは、自分の口を両手で塞いだ。
「俺、死んぢゃう…」
もごもごと籠る声を発し、困ったように眉根を寄せる。
口を塞ぐヨツバの手を剥がし、ちゅっと軽めのキスを落とす。
「んっ…はぁ………もぉ、無理ぃ~」
僕から逃げるように、頭を後ろに倒したヨツバは、両腕で顔を覆った。
「キスの日は、まだまだこれから、ですよ?」
くすりと笑う僕に、ヨツバは腕の隙間から、ちらりと瞳を覗かせる。
「りゅんさまって、サクランボのへた、口の中で結べるよね?」
急な質問に、きょとんとした瞳を向ける僕に、ヨツバは、腕の隙間から、じっと見つめ続ける。
「まぁ、出来ますけど…? しょっちゅう、サクランボ食べながら、結んで遊んでましたね」
ぼんやりと思い出しながら言葉を紡ぐ僕に、ヨツバは、うぅっと唸るような声を立てた。
「だからっ、だから、こんなに、ちゅーが上手いんだっ」
そう言えば、へたを口の中で結べる人はキスが上手いって聞いたこと、ある気が…。
キスのために、へたを結んで遊んでいた訳じゃないですけど。
ふんっと鼻を鳴らしたヨツバは、声を上げた。
「りゅんさまっ! サクランボ買って!」
練習するっと息巻くヨツバ。
…たぶん、その不器用な短い舌じゃ、何時まで経っても、結ぶことも、キスも、上手くはならないと思いますけどね。
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