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9月9日『ポップコーンの日』①
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僕が出張先で仕入れたのは、乾燥されたコーン。
売り場の側に、油をまぶして炒めるとポップコーンが出来上がると書かれていた。
これを見たヨツバはどんな反応を示すのだろう。
「何これ! 何これ!」
両手で小さな袋を持ち上げて、はしゃぐヨツバ。
「お菓子、ですよ」
幼いヨツバの反応に、くすくすと笑ってしまった。
ヨツバをリビングに残し、着替えに奥の部屋へと入った。
リビングに戻った僕の瞳に映ったのは、ぐしゃっと歪んだヨツバの顔。
「りゅんさま…、これ、美味しくない。歯、折れそうだよ」
僕が居ない間に、袋を開け、そのまま齧ったらしい。
ふっと笑ってしまった僕に、ヨツバは、不思議そうな、不服そうな瞳を向ける。
「それ持って、おいで…」
キッチンに足を踏み入れる僕に、ヨツバは、ぽかんとしたままに、ついてくる。
フライパンにサラダ油を入れ、ヨツバから乾燥されたコーンを受け取り、均一にまぶす。
ヨツバは、興味津々で、僕の手元を見つめ続ける。
ガラス製の蓋を閉め、カチッと火をつけ、フライパンを揺すった。
パンッ――。
「わっ!」
数分の後に、フライパンの中で、弾けたコーンの音に、ヨツバが声を上げた。
パンッ、パンパンッ――。
「わわわっ」
フライパンを見つめるヨツバの目がキラキラと光る。
「なになに? どうなってんの?」
フライパンの中を見たいヨツバは、僕の脇の下やら、腕の横やらから顔を覗かせる。
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