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再び実感する
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テストが近付いてきた。
というのを授業を受けて知った。
テスト範囲はココまで、宿題はココまで
テスト終了後に提出
「何日から何日がテスト週間なの??」
木村に聞けば木村は笑う。
「本当にうみちゃんはぶれないな。月の予定表に書いてあったじゃん。」
「予定表??」
そんなものあっただろうか。
いつ配られたか分からなければ、見たかも分からない。
「あー、先月の半ばに配られたから砂山にべったりな時でうみちゃん知らないのかもな。」
椅子を後ろにぎこぎこと揺らしながら木村が言う。
いつもは見せてくれたり教えてくれたりするのになぜか今日は「砂山に聞いてみれば??」とか言われる。
そんなの嫌に決まってる。
「もう、木村なんて知らね。」
ぷいと木村から顔を背けていえばまた木村はけたけた笑う。
こいつ、本当にボクのこと面白がっている。
まぁ、それでもいつもいろいろと教えてくれたりするからいいんだけど、さ。
さぁ、月の予定表はどこだろう??
キミのことだからちゃんと保管してくれているはず。
いつもプリントをもらうとボクはどうしてた??
プリントをもらう。
鞄に入れる。
鞄の中を探してみる。
鞄の底にぐちゃぐちゃになったプリントが何枚か。
開いてみても全部違う。
家でキミが鞄を開いて宿題のある教科書、参考書を取り出す。その時にプリントも取り出されて…
あ、そうだ、その時に取り出されていたから家かもしれない。
学校が終わったら家で見つけようと手の甲に予定表と書く。
学校が終わって家に帰り着けば靴を脱ぎ捨てて、鞄も玄関に放置。
キミに怒られることもないからそれがもう定着してしまったし、最初こそキミに怒られるかもとか思ったけどそんなこと思わなくなったのはすぐだった。
制服も適当に脱ぎ捨てるから変なとこに皺が出来てるし、シャツはくしゃくしゃ。でも、着れば別にそんな皺目立たないしいいや、って。
部屋着に着替えてプリントをキミがどうしていたかを考える。
でも、思いつかない。
思いつかないからあらゆる場所を探した。
本棚、引き出し、タンス……
いや、そんな場所にはないだろってところまで。
さすがに見つからなくて疲れて喉の渇きに気付く。
何か飲もう。そう思って冷蔵庫と向かい合わせになった時、見つけていたものがそこにあった。
うさぎのマグネットで四隅を押さえられた予定表。
月の予定表の他にも年間予定表も貼られていて、キミがどれだけボクのためにしていてくれたかをまた実感した。
最近はキミがどれだけしてくれていたかなんて忘れていたのに。
なんだか、また切なくなった。
キミはどうしてこんなにボクに尽くしてくれていたんだろう。
違うか。
尽くしてくれていたんじゃなくてボクが尽くさせていたのか。
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