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幼馴染探知レーダー
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「なあなあリョウ」
「ん?どうしたシュウ。またテストで赤点取ったのか?おバカさんだな」
にこにこと嬉しそうな笑顔を浮かべているリョウに話しかけた。
「数学だけとったけど、そうじゃないんだ!」
「とったのか…まあいい。それでどうした?」
やっと真剣に悩み事相談の体制にはいったリョウに、シュウは少しだけしょぼくれた様子で喋りはじめる。
「ハルトが悩んでるみたいなんだ」
「ハルトが?あの完全無欠眉目秀麗のハルトがか?」
はっきり言ってしまえばハルトに悩みの二文字は似合わない。
なんでもこなしてしまう彼が自分の弱点をさらけだすような顔をするのだろうか。
そう首をかしげるリョウだったが、やはり幼馴染特有の直観を兼ね備えているシュウにしか理解できないものなのだと自己完結し、先を促す。
「なんかテストが悪かったらしくて。すっげえ落ち込んでる…俺、馬鹿だから勉強教えられないし、どうすればいいのかなって」
本気で心配しているようで、シュウはおろおろ慌てている。
難しい相談にリョウが答えられるとは思わないが、とにかくどう動けばいいのかというヒントだけでも貰えないのだろうか、と縋りついたのだ。
するとリョウは淡く微笑み、シュウの頭に手を置いた。
「落ち着けシュウ。慌てていては何も始まらない」
「でっでも俺本気でどうにかしたいんだ!」
「わかっているさ…そうだな、遊びにでも誘ったらどうだ?気分が晴れていいかもしれない」
「そっそうだよな!ハルトにもたまには息抜きが必要だよな…!ありがとリョウ!俺、誘ってみる!」
一気に明るくなったシュウは、さっそくといわんばかりにハルトを探しに行った。
順調だな。一人になったリョウは彼らの未来に楽しみを抱いた。
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