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我慢と忍耐
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「俺とお前は同期だ。
まさか、大学まで同じになるとは思わなかったがな。
前まではこんなことなかった。
警察学校でも、αは多く居る同期の中で俺しかいなかったし、Ωだってお前しかいなかった。
だから、発情するのは俺とお前でしか起こり得ないんだ。
もちろん、入学する前に多くの場所で、多くのΩに会ったことはあるさ。
だけど、三守、お前ほど」
そこで、二都の言葉は切れた。
何かを言いだそうとして、だけど何かが邪魔をして言い出せない。
そんな苦悶の表情だった。
本当は、こんな話をしていられるほど余裕はないのだろう。
我慢できるのは、二都が場数を踏んでいるからか、二都の持前の我慢強さか。
それとも。
「…だけど、二都。お前、警察になってすぐ、結婚したじゃないか」
そうだ。
二都は結婚している。
幼い子供もいる。
それに三守だって結婚している。
二都の子供と同世代の子供がいる。
「あぁ、した。したさ。もちろん妻も子も愛している。
だけど、駄目だな。
同じ職場で、抑えられるわけがない」
二都は祈るように手を組み、その上に額を押し付けた。
苦悶の表情がやはり読み取れる。
なんて顔をしている、人事部め。
ふと、悪口なのかどうかわからない言葉が思い浮かんだ。
人事部でも将来有望のαなのだ。
そんな奴が、そんな表情をするな。
俺は、二都に、何かを期待して
「…っあ…!!!」
なんだ。突然体中の熱がはね上がった。もしや、これは。
「発情期、」
発情期は少し前に終わったはずである。
ならば、これは。
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