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予測可能回避不可能2
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ゆっくりと近づいてくる二都に、三守は後ずさる。
二都の革靴の音がはっきりと聞こえた。
二都との距離が開いているうちに、と方向転換をする。
一ノ瀬の車のあった場所と三守の車のある場所は正反対だ。
地を蹴る革靴の音がした。
最近職務中にも、日常生活でも走ったことないような速度で駆け抜ける。
二つの革靴の音が駐車場に響く。
三守は自車のロックを走りながら解除する。
少し先の車のランプが点滅するのが見えた。
あと少しで車の取っ手に手をかけられる。
その時だった。
「がッ…!!」
後ろから首を掴まれた。
そのままドアに腹を押し付けられ、両手を拘束された。
あまりの衝撃に一瞬呼吸ができなくなった。
「なッ…なにしやがる…!!」
「お前が待ってくれないから」
「待つわけないだろう…!」
余裕そうな声で話すが、首に掛けられた手にはかなりの力がこもっていた。
はやく抵抗の意思がないことを示さないと、大変なことになりそうだ。
「俺はお前と話がしたいんだ。三守」
「ならその手を離せ!!!」
「行く前に約束していたのに…そうだというのに…」
三守はふと、二都の様子がおかしいことに気づいた。
三守の言うことに、いつもは絶対反応する。今はしていないのだ。
なんだ。
「…二都?」
首元の痛みに耐えながら、三守は問いかけた。
しばらく、沈黙が流れた。
そして、三守の後ろで二都の声が小さく聞こえた。
「チッ、マーキングなんぞしやがって」
誰の、と聞く前に首と両手が後ろに引っ張られる。
おもわずよろめき、二都によりかかる形になってしまった。
間髪いれず、二都が車の後部座席のドアを開いた。
寄りかかった際に、何とかして逃げようとしたが、首に掛けられた手に力が込められた。
逃げるな、ということ。
三守はそのまま後部座席に押し込まれた。
次に二都も乗り込んでくる。
二都の後ろでドアが閉まるのがみえた。
密室空間である車内。
二都のかすかな香りがたまっていく。
同時に二都は眉間のしわを深くしていった。
「誰。聞かなくてもわかるが」
「なんのこと…んッ!?」
口答えをする前に、二都にふさがれてしまった。
(答えさせる気ゼロかよ!?)
深く深く口づけをされる。
以前と同じように、二都が唾液を飲み込むように舌で押し流す動きをする。
三守とて同じだ。飲み込めばどうなるか、わかっている。
だから、対抗して舌を動かす。飲み込むまい、と。
その動きに、二都が一瞬目を見開いた。
至近距離でざまぁみろ、とその瞳に目を合わせる。
二都が笑った気がした。
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