アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
寄せ付け体質。
-
「先生にはわからねぇだろ!!!!俺ら非モテの気持ちなんてよ!!!!!!!!」
「そうだそうだ!!!!」
「バレンタインチョコを貰えなかった夜の寝る前の気持ちを考えたことがあるか!」
「そうだ!!あぁ呆気なく終わるんだな…ってなるあの気持ちを!!」
…いい歳した高校生らはひどくアツくなって、勝手に盛り上がって勝手に話を進めてやがる。
いや、今回に関しては多分俺は一切悪くもないし関係も無いと思う。
むしろ被害者、超被害者だと思う。
「ぁぁああ!!!!うるせぇ囲むな寄るな!多分そんな事言ってるからモテないんだろうが!!!」
もう教師ヅラとかどうでもいいから、とにかくコイツらが近づいてくるのは嫌だ。
夏の暑さも、人のアツさも嫌いだ。
モテない、の言葉に反応したのか、ソイツらは火が消える様なスピードで黙った。
そうだそうだ!がそうなのか?に変わって俺を詰めてくる。
「……はぁ、お前らまさかそんな事を言うために俺に絡んだのか?」
そうだとしたら迷惑にも程があるし、そうじゃなくても迷惑だ。
もう呆れを通り越して同情心すら湧いてきた。
「いや…っ、違うんだ…!そうじゃなくてだな…」
…違うのかよ。
より面倒な事を言われそうな…嫌な気がする。
今回の試合をただ見に来ただけじゃないんだよな…
圧倒的な程の人気の格差を見せつけられた腹いせか?
何か企んでるのなら俺に関係の無いところで俺に一切被害が無く、俺に全く関わらないようにしてほしい。
「なぁ先生、アンタにお願いがあるって言ったよな?聞いてくれるか?」
「願いは聞かねぇけど話は聞いてやるよ」
もう俺の短い集中力もきれたしな。
「サッカー部のエースを呼んできて欲しい」
ノッポは真面目な顔をして言った。
さっきまでうるさかった外野もマジな顔をしている。
「言いたいことがあるんだ」
そう付け足した。
……喧嘩でもするのか?
なんでよりにもよってエースなんだよ。
あ、1番モテるからか。
「他を当たれ」
「俺らエースに一目惚れしたんだ!!!!」
バッ、と勢いをつけて俺の手を握れば目をキラキラとさせて言った。
………俺って多分面倒事を寄せ付ける体質なのだと思う。
今更に気づいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
73 / 81