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「どうしたんだい?!そんな所でぼーっとして?」
サイカは笑いながら秋人の頬にそっと触れ、サラサラと優しく撫でた。
驚きを隠せない秋人は、大きく見開いた目でサイカを見つめながらその手に自分の手を重ねた。
「どうして…!?わかったんですか?!」
サイカは一瞬なんのことかわからなかったが、すぐに質問の意味を理解しニコリと笑う。
「あぁ、それはね、居間にいたら秋人の呼ぶ声が聞こえたからだよ。僕のこと呼んだでしょ?!」
「えっ!?!?あんなに遠いとこから聞こえたんですか?!」
秋人はさらに驚いていた。神社ということもあり秋人の家は一般家庭の家よりもかなり大きく広い。玄関から居間までは長い廊下がつづいていて、声だけでは訪問者が来てもなかなか気づかないほどだ。そのためけっこう前に呼び鈴を取り付けた。そんな家だと言うのに、サイカは秋人の小さな声を聞き取れたなんて事なかなか信じがたい…、そして同時に嬉しさが込み上げる。
気づいてくれた…。家にいてくれた…。
先程まで秋人の胸を締め付けていた「不安」は跡形もなく消え去り、別のあたたかいもので包まれていた。
秋人はあらためてサイカに「ただいま」と言うと、サイカは笑顔で「はい、おかえりなさい」と返した。
嬉しさのあまり秋人はサイカの手を強く握る、それにサイカは答えるように握り返し、その手を引き家の中へ入ろうと促す。
促されるまま家に入ろうとくつを脱ぐ時、秋人はアイスの存在を思い出した。
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