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「あっ!そうだサイカさん!今日はお土産を買ってきたんです!」
「お土産?僕に?」
サイカは驚きながら嬉しそうに頬をゆるめる。
「はい!アイスクリームです!サイカさんはアイスクリーム食べたことは?!」
秋人の問いかけにサイカは首をふった。
「どういうものかは知ってるんだが、食べたことはないよ。かき氷って物は昔義正に食べさせてもらったんだけどね。」
「じゃあ、初アイスクリームですね!何種類か買ってきたんで一緒に食べましょう!」
二人は長い廊下を歩き居間へと向かった。
居間には小さな卓袱台がひとつあり、秋人はそこに一つ一つアイスを並べていく。
溶けていないか心配だったアイスは、定員さんが保冷剤を沢山入れてくれたお陰でそこまで溶けてはいなかった。
アイスを並べる秋人の横で、サイカは目に見えてワクワクしながら様子をうかがっていた。秋人はそんな彼を見ながら買ってきて良かったと心から思っていた。
「バニラに抹茶、チョコにストロベリーどれにしますか?!」
アイス用スプーンをサイカに手渡しながら秋人はたずねた。
「秋人、チョコはなんとなくわかるんだが、ストロベリーとはなにかな?」
「ストロベリーはいちごの事ですよ!ちなみにいちごはわかりますよね?」
「いちごの事だったのか。あれは甘酸っぱくて美味しいよね。そのいちごのにしようかな!」
「じゃあ、俺はチョコします!」
秋人はサイカにストロベリーのアイスを渡し自分はチョコのアイスをとり、残りは冷凍庫にしまった。
サイカはゆっくりとアイスの蓋をはずす。中には鮮やかなピンク色のものが入って、所々果肉と思われる赤い欠片が混じっている。恐る恐るスプーンを差し込むとそれは予想よりかたく少し力が必要だった。
サイカは一口ぶんをすくうとゆっくりと口に運ぶ。
秋人はその姿をドキドキしながら見守っていた。味覚的には人と変わらないようであれ、もしかすると口にあわないということもあるかもしれない。どうか、美味しいくありますようにと願いながらサイカを見つめる。
サイカはひと口、ふた口噛むとアイスを飲み込んだ。
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