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高校 1年生 3
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颯人が文句を言う。
「朔馬のせいで、奈都がまた絡まれているんだけど」
「奈っちゃん、今日も可愛い~!」
朔馬は、ギュッと奈都を抱きしめた。
「っ!」
奈都は、顔は茹でタコのように真っ赤っかになりながら、それだけで固まってしまった。
「さ、朔馬っ、先生!離し、て!」
「よそよそしい奈っちゃんも可愛い。でも早く2人きりになって、名前で呼んで欲しいなー」
ニコニコと奈都を愛でる朔馬に、颯人がため息をついた。
「先生、犯人達が逃げようとしてますよ」
愁が、コソコソしながら逃げようとしている上級生達の事を言うと、朔馬の目の色が変わった。
「…奈っちゃんに決闘を申し込むなら、俺を倒してからにしなさいと何度も言っているだろ?」
ドスの効いた声に、犯人達はビクッとなる。
「何度もって、俺達は今日が初めて…」
「って言うか、朔馬倒すの無理があるし」
「朔馬が可愛いっていうから、どうなのかって思って顔を拝みに…」
「って言うか、可愛いな」
「可愛い」
「…可愛い」
ボソボソと話す犯人達に、朔馬は奈都を抱きしめている手を離した。
そして、胸の高さの所で両手を組み、ボキッゴキッっと派手に鳴らす。
「…最初は誰かな~」
その音と顔に、ブルブル震え出す犯人達。
だが、奈都の様子がおかしい。
颯人が奈都に言った。
「どうしたの?奈都?」
ブチッと切れる音がする。
「誰が、可愛いんだ~!!!!!」
奈都が怒っていた。
「可愛いって言うな!!クソッ、ムカつく!」
犯人達は『ええ~っ!』と驚いている。
さっき朔馬が散々言っていたのに、自分達が完全に怒られている。
「今度、言ったらタダじゃおかねーからな!!」
「…そうだよ、奈っちゃんに可愛いって言っていいのは俺だけなんだから」
ツラッと、朔馬が言う。
「だって、奈都は俺の恋人。この学校で言うなら、俺の『お姫様』だもの。そう、4月の入学式で言っただろ?」
言い終わると同時に見せびらかす様に、朔馬は奈都を後ろから抱きしめたのだった。
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