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男娼とヤクザ/シーズン3(第6話)
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(最近、本編キャラどんどん出してすみません。色々進めなきゃと思っていると、続いてしまいました…完結までに片付けたい事が、山…)
嵩原と結ばれて、3日が経った。
毎日電話をしろと言われてしているが、忙しい嵩原との電話は手短。
勿論、顔も見れていない。
3日。
「はぁ………………嵩原のアホ」
大和、そろそろ限界を迎える。
高橋のビルの一室。
嵩原から身体を売るなと言われた大和は、最近ここに閉じ籠りきり。
頭の中は嵩原の事ばかりが占領し、他に意識がいないと言うのもあるが、夜な夜な街へ身体を売りに行っていた大和にとって、空いた時間の使い道なんて全く浮かばない。
日がな1日、ゴロゴロ…ゴロゴロ…。
「あー、嵩原に会いたい…………」
スマホ片手に、本音ばかりが口をつく。
でも、大事な事も忘れてはいない。
「………………最近、高橋さんに会うてへんな」
いずれ、嵩原の家に住まわせると言われた、大和。
自分を好きだと言ってくれた高橋に、きちんと返事もしないままここを出て行ける訳もない。
それに………………。
「山代さんにも、返事してへん」
街にも立たなくなって、余計に会う機会を失う。
携帯番号は聞いてはいるが、基本的にプライベートを邪魔しては駄目だと、電話をかける事はしない。
金も住む家もない自分を、助けてくれた二人。
「ちゃんとしてから行かんと……………」
ベッドの上で寝返りをうち、大和はあまり物のない部屋をぼんやりと眺めた。
金も何もなかった、少年。
ほぼ何も持たず出て来た自分を、拾ってくれた高橋の存在。
本当に助かった。
未成年である自分が、一人で部屋を借りられる筈もなく、高橋に出会わなければ今頃ホームレス。
「高橋さん……………」
どう話そう。
嵩原の事、嫌っていたのに……………。
コンコン…………………
そんな大和に、突然の訪問者。
「………………大和、おるん?」
……………………っ!!
まさか。
「たっ………………」
高橋さん……………っ!
大和は、心臓が破裂する勢いでベッドから飛び上がった。
今、思い出していたとこ。
バタバタッ…………ガチャッ…!
「たっ、た…………高橋さん!」
「ぷっ………………なに、えらい驚きようやな」
慌てて開いたドアから後光が差す。
「久し振りやな、大和。ここのところ忙しゅうて、なかなか声かけられへんかった」
優しく、大人の色気ダダ漏れ。
微笑む高橋に、大和の顔はみるみる赤く染まる。
「は、はい………………」
「どないしたん?何かあった?」
「あ………………ん……」
変わらない。
変わらない姿が、何故か胸にチクリと何かを刺す。
「大和?…………大丈夫か」
ふんわり触れてくる指先の温もりと、囁く声の心地好い音色。
「…………………すみません」
「え………………?」
思わず、出てしまった謝罪に、高橋の顔が傾いた。
「高橋さん、俺………………」
俺………………。
嵩原とデキてしまったなんて、高橋はどんな顔をするだろう。
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