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そして、離婚から1年後、おふくろは一人の男性と出会った。いつだったかまで覚えてねぇけど、結婚するかなり前におふくろから俺の父親になる予定だと"福田"という男の写真を見せられたことがある。
ほんとに、ふわふわした人だったから、食事中に
『諒ちゃん聞いて~~!この人がね~!』
とこのテンションでニコニコと話された。
そのときは、『ヘー、こいつが父親になるんだ』くらいにしか思わなかったけど…
俺はおふくろが笑顔になれるならそれだけで良かった。
おふくろが笑える人ならそれだけで大丈夫だと思えた。
もうボロボロなあの人を見ていたくなかった。
それから数ヶ月後、実際に福田さんに会ってみて分かったことがある。ただただ雰囲気がすごく優しそうな人。
そんなイメージだった。
ただ失礼ながら、カッコいいかカッコよくないかを聞かれたら、“カッコよくない”だろう。
世にいう一般的なイケメンとは少し違った。
だけど、柔らかい雰囲気やメガネの奥の温かい目
福田さんの全部から優しさが伝わってきて、おっちょこちょいなおふくろをいちいち心配して気遣ってくれていた。
ちょっとそこら辺は充に似てるな?
こいつはおっちょこちょいのくせにすぐ他人の心配をしてる。そう思って話すのを休憩してじっと見つめてみた
「んだよ、見んなよ」って不快そうな顔をしてる充。
思ったことがすぐ顔に出てる。分かりやすいやつ。
まぁ、んでな、この人ならきっとおふくろを幸せにしてくれる。おふくろもそれを望んでいると思った。
比べてしまうのは失礼だけど親父みたいなことはせずに、死ぬまでおふくろを大切にしてくれる。そして、何より“家族”を一番に考えてくれそうだと思えたんだ。
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