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何となく走りながら向かったのは屋上。
ダメだ、頭がくらくらする。
走りすぎた。気持ちが悪い…
屋上で呼吸を整えていた
う、あ……倒れそうだ。今回のことで、自覚した。思ったより病気の進行は進んでる。こんなに体力が落ているとは思わなかった。
もしかしたら、学校に来れるのもあと数回かもしれないな
「───なんで逃げるんだよ?」
いきなり後ろから話し掛けるなよ!!
心臓に悪いだろぉがァァァ
充「いきなり教室であんな事言われたら逃げるわ。なぁ、どういうことなんだ?」
俺はやっぱり意味がわからず、もう一度理由を聞こうと思い、福田に問う
「だから俺と付き合えって言ってるだけだろ?」
さも当たり前かのように、、、。
ここまでいうと、冗談ではなさそうだ。
何考えてんだコイツ。昨日初めて話した男を彼氏(彼女?)にするか??なんのために?
充「その意味がわかんねぇから聞いてんだよ。なんで俺?お前に好意を抱いてるやつなら沢山いるだろ」
男子校だからホモとかには突っ込まない。周りもそういう奴らみたいだし。そこは突っ込まねぇけど(さっき突っ込んだ気もするけど)
なんで、俺?
「お前は静かだから」
「はい?」
それだけの理由で俺を巻き込むなよ!!
「周りの奴らはこの容姿だからキャーキャーうるせぇし、なのにお前はそうじゃない。むしろ逆。隣にいても静かだろ。だからお前にした」
「つまり俺が好きで付き合いたい訳じゃねぇんだな?」
「まぁ、そうだな。」
ならいいか。てゆうか好かれても困る。
どうせお前の前から消えるのに
「んじゃ、そのうるさい奴らを黙らせてぇんだ。だから恋人ごっこをしろと」
てか、でも、その考え甘くないか?お前を好きなら俺を潰してでも奪いにくる奴くらい居るだろ。そんな度胸あればだけどさ。
「わかってんじゃねぇか。で?答えは?」
「暇つぶしには、なりそうだな」
恋愛なんて初めてだしな、フリだけど。でも普通なら女子が良かったけど、俺どっちでもいいんだな?てか人に興味がないのかも。
ごっこなら、こっちまで深く関わってこない、よな?関わったらダメだ。死んだ時に、悲しんでくれる人を増やしたらダメなんだ。
「じゃ、交渉成立だ」
残り時間も僅かなんだろうし、いいよな?最後くらい俺だって楽しんでもいいだろ。楽しんだって、怒られないよな
「じゃ、これから宜しくな。偽物彼氏さん」
そういいながら手を差し出す。
握手、したことねぇんだよな。
生まれて初めての相手が福田涼太っていうのもなんか残念だけど、人は選んでらんねぇしな。贅沢言える時間もねぇ
すると少し驚いた顔をして福田も「よろしくな」と言って差し出した手を握ってくれた。
福田の手は暖かくて、生きてることを実感させてくれた。
こうして俺たちの恋人"ごっこ"は始まった
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