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「下に降りようか」
浜辺と道路を隔てていた外壁の石階段を晴山さんが降り始める。
僕も慌てて付いていこうとする────
ズルッ
「う、わっ!!」
落ちるっ!!
慌てたせいで足元が滑り、転んだ────
と、思った────
「裕太!!危ない…大丈夫?」
前にいた晴山さんが、僕を抱きとめた。
「ご、ごめんなさい!!大丈夫です」
僕の言葉を聞いて、晴山さんは耳元で安堵の息をもらした。
ぞくっ
耳に息がかかり、背中がぞくぞくとした。
「よかった……」
本当に『よかった』と思ってくれたのが声色から伝わった。
それと同時にぎゅっと、抱きしめてくれる。
安心する……。
だけど、晴山さんに抱きしめられるのは初めてで、心臓はバクバクいっている。
「あ、あの……」
「あぁごめん。ゆっくり降りよう」
しっかり僕を立たせてから、スッと手を差し伸べた。
「…はい」
その手にゆっくりと触れると、優しく包んでくれた。
ドキリとしながらも、その手に、手を委ねた。
やっと降りきって、足が砂に埋まる。
「海の近くまで、行く?」
「はい!!」
波打つ海辺へ手をつないで行く。
爬虫類館の時は、自分からで、意識はしたけど、そんなに……。
今は、その…晴山さんから…だし……。
僕も、なんか、合意?の上での意識というか……。
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