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入学式当日。
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入学式当日。
普通はもっと前から
入寮を済ませて
部屋を片付けたりしなきゃいけないんだが
俺がこの学園にたどり着いたのは
入学式当日だった。
と言うのも、
中学の友人たちと
卒業旅行に行っていたので
昨日家に着いたのだ。
楽しかった。
なんか、小学生の時に
行ったのとは
全然違う楽しさがあった。
京都…。
人里離れたバス停まで
3時間に一本のバスに乗っていく。
そこから歩くこと30分。
どこのバカがこんなヘンピな土地に
作ったのだ。
なんの意味があったのだ。
ほら見てみろ、俺の
キャリーバッグが山道に耐えきれずに
車輪がぶっ壊れた!
そんな文句をたれながら
山道を進み見えてきた先に
わあー、俺、進○の巨人でこんなの
みたことあるー。
って言いたくなっちゃうくらいの
壁、そして門。
ねぇこの学園は一体何からの攻撃を危惧してるの?
ただの学校だよね?
「きたきた、君が榎本くんかな?」
でっかい門の横にある
ちっちゃい(といっても普通サイズの)ドアから
ひょっこり顔を出した1人の男。
わーーーー。
キレーな顔の人。
絵本に出てくるような
王子様みたいな
存在そのものに
なんだか透明感があるような。
動作一つ一つに
思わず見惚れてしまうような。
「もう入学式始まっちゃってるよ」
ふふふと笑い
コッチからどうぞ、と
ドアまで案内される。
「生徒会で副会長を務めてる、
時和 怜です。一応、2年生」
「ふくかいちょう…」
あんまり向いてないんだけどね。と
笑顔を絶やさず答えてくれる。
王子様いい人じゃん…。
「榎本 旭です、新入生で外部生でなおかつ特待生の頭のいい15歳です」
「うん、すごい自信だね。頭のいい子は自分で言わないんだよそうゆうこと」
「俺、常に自分をアピールする練習してるんで」
「ウザがられて友達なくなさいようにね」
笑顔でウザいと言い放つあたり
王子、いい性格してるな。
「まずは寮に行きましょう。
荷物が多いので預かってもらいたいです」
「君わりと強引かつマイペースだね。
寮をホテルかなんかと勘違いしてる?」
「毎朝チェックアウトが8時なんてそんな鬼畜なホテルには泊まりたくないですね。」
「8時に寮出てたら遅刻だからね」
入学式なんて校長だの理事長だのの
ながったらしい挨拶をうとうとしながら
聞くだけの式だ。
でなくったって大丈夫。
「入試トップの特待生くんのうとうとするお話は用意してきた?」
アッ!!!!!
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