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一度帰宅した凪は、財布とスマホをバックに詰込み、すぐに家を出て、一条歯科医院を目指す。
今日で二度目の歯医者である。六時に予約を入れたので、結構ぎりぎりだ。現在の時刻は五時四十五分。一条歯科医院に着くまで、十分掛かるので、足早に目的地まで歩いた。
あの男に会いたくないが、行くしかない。治療が終わるまでの辛抱である。
重いガラス扉を開き、中に入る。
受付を済ませると「お座りになってお待ちください」と告げられ、近くのソファに座った。
暫くして、名前を呼ばれると、奥に促された。
キス事件もあったため、恐る恐るあの男を警戒しながら席に着く。どのみち、あの男と顔を合わせることにはなるのだが。
「ふぅ…」
一先ず安堵して、周りを見渡す。あいつはまだ居ないようだ。今日も相変わらずお客さんが多い。しかも全員女性で、斎という男の存在をいまかいまかと待ち侘びているようだった。
「俺を探してるのか?」
頭上から、突然降ってきた男の声。
凪は一瞬びくりと身体を震わせて、ゆっくりと声がした場所を見る。男は冷やかに微笑すると、凪の髪をふわりと撫でる。
「出たな…変態男」
凪は、髪に触れる斎の手を振り払う。
「ふ、俺も随分と嫌われたもんだな。まぁ、そういうところが嗜虐心を煽られるんだが」
「っな…や、やっぱりお前変態だ……っ」
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