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#14
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バチッ
「っ!?
グあッ!」
!?
突然、胡蝶の首を絞めていた男が
呻き声を上げて倒れた。
そいつの背後から出てきたのは
「…」
「康隆!」
「タカ!?
…ったく、遅いっちゅーねん!」
栄組お抱えの情報屋、康隆が
敵にスタンガンを当てたのだ。
康隆は不思議な男で
常にフーセンガムを膨らませているために
未だに一言も喋らないヤツだ。
しかも、常に前髪で顔半分が隠れている。
こいつほんとに前見えてんのか?
普段はヘッドフォンを愛用しており
完全に周囲を遮断している。
入って2年余りだが
使えるやつだ。
形勢が逆転すると、
錦組の連中はそそくさと逃げて行った。
「…康隆、ご苦労だったな
ありがとう」
「タカもやりおるな!
なんでこの場所わかったん?」
「…」
「恐らく俺たちのスマホのGPSだろ
そんなことより…
胡蝶、無事か?」
「…」
胡蝶は、黙って頷いた。
なぜ喋らない?
さっきは声が出たのに。
「…胡蝶
声、もう出るんじゃねぇのか?」
「…っは、い…」
「どれくらいから出なくなったんだ?」
「10…くらい、から…」
な…、
10歳からだと…!?
それから、ずっと?
「いま、幾つだ」
「え、と…、」
「誕生日は」
「…すみ、ませ…」
「血液型は」
「わか、らな…」
…じゃあ、自分のことを一切知らないってことか?
でも誕生日くらい…
「…声
まだ出しづらいか?」
「そんな、ことは…」
「じゃあなぜ少ししか喋らないんだ」
「それは…
こわ、くて」
怖い?
なにが。
「ご主人様は
目が見えず、声の出せない僕を
必要だと…お、仰いました
それなら
声が出せるようになった、僕など
不要では、ありませんか?」
コイツ…
こういう考え方を、するのか…
「…1度、離れへ戻ろう
話はそれからだ、胡蝶
いいな」
俺が胡蝶の手を握ると
胡蝶はコクリと頷いた。
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