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満ち足りた時間(☆)
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それは、世間的には、罪。
道徳的には、異常。
それでも、誰よりも互いを知っている。
愛し合えば、最強。
ギシ………………………ギシ……
「あっ……………はぁ……っ……………親……」
夜も深まる、高級マンションの一室。
広い部屋から漏れ出る声は、静まり返った廊下まで淫らな息を届け行く。
軋むベッドの心地好さ。
幾度となく求め合った身体は、お互いの気持ち良さを何よりも知るが故に、貪る欲望を止められない。
「も……………あか………んっ…………ぁあ…また、イク……親父……………ぃっ…………待って……ぇ……はぁあっ」
大和は真っ白なシーツに顔を伏せ、後ろから下半身を突いてくる父親へ、震える声で訴える。
もう、何回イカされただろう。
僅かに伏せた顔から見える、自分の股を埋めるもの。
白濁とした、自らが快楽に達した残骸。
それが、いまだにこれでもかと押し寄せる。
禁忌を犯した親子の身体は、誠に相性がいい。
たっぷりと自分の中を埋める父親の男根が、擦れる度に一番快感な場所を刺激する。
何度も、何度も。
ジュプジュプと、部屋中に淫乱な音を鳴り響かせ、親子の契りをまたもや絶頂へと導く。
「ぁん……っ…………やぁぁっ…………親……父………っ」
シーツを握り締める手に思わず力が入り、大和は再び込み上げる高揚感に、たまらず背中を反り返した。
滲み出る汗と、口から垂れる涎。
ガクガクとヘタり込みそうな腰を、父親の手が掴んで離してはくれない。
逃げたくても、逃げられない。
でも、このまま逃げなかったら、どこまで堕とされるのか、快楽に快楽を重ね、父親の身体に溺れたい卑猥な自分もいる。
「クス………………………エロいな、大和。日を増す毎に、俺好みになってんで」
「お……………はぁ…ぁっ………親父…………っん…ああっ」
潤んだ瞳で振り返る大和の身体を、嵩原は腕を引っ張り、起き上がらせる。
そして、腰を突き上げながら、その顎を持ち、濡れた唇へ舌を入れた。
「はぅ………んぁ…は……………好き………親……父……ぃ」
「ああ……………………俺も、好きや」
ドロドロに光り、緩んだ唇から長い糸を引く。
どんなに求めても満たされない、愛しさ。
あと、三日。
出来るなら、ずっとこうして愛し合いたい。
何も考えず、全てを捨てて、愛する人だけを瞳に映す。
今の自分達には、まず許されない夢の話。
「愛しとる…………………大和…………………」
「んぁ…………………や……んっ……あっ……………あぁっ」
囁く愛と、身体を滑る指先。
嵩原は、汗ばむ大和の首へ舌を這わし、固くなった乳首をコリコリと摘まむと、優しく撫でた。
その途端、大和の身体がビクンッと揺れ、また一段と自分のモノへヒップが吸い付く。
ヒクヒクと孔をひくつかせ、何度イカそうと、若い肉体はまだまだ父親を飲み込もうとする。
「ぷ……………………誰に似たんや、この淫乱な身体は。俺以外に見せたら、承知せえへんぞ」
自分に吸い付くヒップへ指で線を描き、嵩原は震える大和の身体を仰向けに寝させた。
ギシ…………………………
「はぁ…………あ……………親…………は……………っ」
途切れる呼吸で、いやらしい口を開き、自分を見上げる大和の淫らで、たまらない可愛らしさ。
「俺、バック好かんねん………………お前の顔、見えへんさかい………………」
火照る熱で赤くした頬に手を添え、嵩原はなんとも言えない幸せに目を細める。
この息子が、自分のものになった悦び。
世界中で叫びたい。
自分は、世界一幸せだと。
「親父…………………………」
自分を見下ろす父親へ、綺麗な腕を伸ばしてくる、大和の仕草にキュンとする。
「ん……………………………」
軽く頷き、嵩原はその手に自分の手を重ねる。
何があっても、離さない。
離さない、絶対に。
重なる手から伝わる愛情に、嵩原の想いは益々心を埋め尽くす。
「……………………大和…………………俺な、お前は颯くんに譲ってもろうた思うてる」
「え……………………………」
優しい笑みで自分を見つめる父親の、意外な言葉。
大和は、父親から発せられた颯の名に、驚きのあまり、返事に詰まる。
颯。
自分が、生まれて初めて好きになった男子。
その思い入れは、やはり強い。
「ホンマやったら、大人の俺が引かなあかんのに、結局出来ひんかった……………………俺が、あまりに未練タラタラやったから、颯くんが引いてくれたんや」
「お…………………親……………」
未練タラタラ。
十代の子供にまで見破られる、情けない恋。
でも、それが自分の恋。
極道のカリスマだと言われる男も、本気の恋の前には、ただの臆病な男。
未練タラタラになる位、我が子を愛してしまった。
「せやからな………………何が何でも、お前を幸せにする。てめぇの魂に懸けて、お前を幸せにするって決めとんねん」
「へ……………………………」
ゆっくりと自分の身体に腕を回し込み、溢れる想いを口にする父親。
身体中が一気に高鳴り、唇が上手く閉じられない。
大和は、父親の温もりを全身で感じ、薄暗い天井を見る。
何だろう。
もう、視界が揺れている。
「俺かて…………………離れとうない。お前を、視界から出しとうない……………………お前に触れる奴がおる思うたら、腸が煮えくり返るわ。でもな、それが許される地位でもない………………………大和、愛しとる」
それは、止めどもない愛。
離れても。
離れても、想いは強さを増すばかり。
「愛しとるよ、大和……………………俺の宝物や。何処におっても、俺の心はお前と共に」
鼻が擦れる程間近に迫り、見とれる男前の決死の告白。
「忘れんでな……………………お前を幸せにするんは、俺やから」
「親…………………父…………………っ」
ぼやける視界も、美しい。
人を愛するとは、こんなにも心を洗う。
愛しとる。
どんな暗闇に迷おうと、この人がいる限り、真っ直ぐに道は見える。
「俺も………………………愛しとるよ……………」
流れ出る涙に頬を濡らし、大和は消えない光を浴びる。
これから三日後、嵩原は関西へ帰った。
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