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真中と別れた俺は駅前通りを過ぎ、街頭の少ない道路を俯きがちに歩いている。
そろそろ忘れないといけないと思っている。あれから、3年も経っているのに――。はぁー。小さく溜め息を吐いた俺は、俯きがちだった顔を上げた。
「ねぇねぇ、お兄さんこれから暇?」
顔を上げた真正面に、自分より若い男がニヤニヤしながら立っている。
「いえ、急いでいるので……」
俺はびっくりしたが、普段よりも低い声できっぱりと言って、男の横を通り過ぎろうとした。が、そんな俺の腕を握ってきた男。
「ちょっと」
「いいじゃん。お兄さんなら俺いけるよ」
握られた腕を振り回して、男の手を離そうと試みたが強く握られているため振り解くことができない。
「ほんと俺、急いでるので…!」
「いいからいいから」
俺の声を無視して、腕を握ったまま歩き出す男。
どうしよう、どうしよう。
自分が可愛らしい女性ならまだしも、平凡でどこにでもいそうな男に声をかけて何がしたいんだ。
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