アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
太宰治誕生日(本文関係なし)
-
朝から、偶偶芥川の部屋に行く用事が有って、偶偶中に入って、偶偶七曜表を見つけて、偶偶────
「芥川、お前七曜表なんて持ってたんだな」
「否、以前銀に貰っただけです。」
『貰っただけ』と言いながらも、七曜表は6月まで確り剥がされている。
活用している事が一目瞭然だ。
無機質な部屋に合わない白い七曜表を眺める。
「芥川、なんでこの日に丸してあるんだ?つーか今日じゃねぇか」
6月19日の場所が、赤いペンでぐるぐると印を付けられている。
今日は何かあったか?
「あっ、いえ、其れは…」
普段慌てる仕草を見せない芥川があたふたとしている。
何でだ?
「逢瀬の約束かぁ?」
「違います。……其れは、あの、太宰さんの、誕生日にと……」
太宰の誕生日────────?
「あー……今日だったか。」
すっかり忘れていた。
太宰も太宰で、俺と違って朝からプレゼント箱を貰っている光景は全く見なかった。
太宰は自分から誕生日を言いふらすと言うより、聞かれて気が向けば答えるぐらいの、誕生日にそれ程の意識は注いでいなかったようだ。
だから、プレゼントを貰っても大して表情を変えず、そのまま塵箱行きになる。
「お前は何か渡したのか?」
「完全自殺マニュアルという著名本をお渡ししました。もう所有しているかと思いましたが────」
『之は君が用意したのかい?全く、出来の悪い部下は困るね。こんなんで私が喜ぶと思っているのか。まぁだからと言って返すのは配慮に欠ける。人としての配慮をしてあげる。今回はまぁ捨てるのも勿体無いから古本屋にでも売ってあげるよ』
「矢張りお気に召さなかったようで」
「いや其れ滅茶苦茶喜んでんじゃねぇか」
そうか……芥川はもう渡したのか……
俺も何かしなければ……という訳では無いが、以前、俺の誕生日には太宰が付けているものと同じ型の紐帯を貰った。
流石に貰ってばかりなのは嫌だし、それに────
「邪魔したな芥川。」
「いえ」
俺は芥川の部屋を後にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 34