アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Your kiss is sweeter than honey.
バレンタイン 3
-
配るチョコのラッピングが出来た。
「聖梨くんに、味見してもらおうかな」
マスターが限定メニューの、ガトーショコラとフォンダンショコラが一皿に入り、フルーツなどで、可愛くデコしたお皿を持ってきてくれた。
「わぁ!デコペンで、ハートが書かれている!」
「年甲斐にもなく頑張ったのだけど、ハートマークは書いたことがなくてね」
マスターが、恥ずかしそうに言った。
「いいです!すごく可愛くて…いただきます!」
ギュッとチョコレートが詰まったガトーショコラは、口の中でホロッと溶けていく。
フォンダンショコラは、真ん中を切るとトロッと温かいチョコレートが流れてきて、また違った食感が楽しめられた。
「美味しい~っ!!」
美味しくて、次から次とパクパク食べ進めた。
「良かった」
マスターがホッとした。
「美玲ちゃん、気に入ると思うかな?」
「気に入りますよ、絶対!間違いないです!」
そう言うと、ドアが開いた。
「聖梨、外まで声が聞こえてるぞ」
その声に、ドキンッと胸が高鳴った。
「マスター、すみません。2時からの開始なのに…ギリギリに来てしまって」
美玲が、龍の後ろから現れた。
「いいえ。ちょうど全部終わったので、まだ時間がありますよ。その前に美玲さんにぜひ、食べて欲しいのですが…」
そう言うと、大きなお皿にガトーショコラとフォンダンショコラが乗っていて、聖梨のお皿よりも豪華にフルーツやデコが施されていた。
「すげーな…」
あの龍でさえ、驚いている。
美玲は感極まっていた。
「一生、飾っておきたいです!」
「…やめとけ。蟻が集るぞ」
ゲシッと、龍の足に美玲のパンプスがめり込んだ。
「痛!!お前な!」
「わ、わ…、そうだ!スマホで撮って保存は?美玲さん、ね?」
聖梨が慌てて言った。
「…社長は邪魔なので、お引き取りください」
ニコリと笑っていたが、マスターに聞こえずに社長の前に"クソ"を言っていた。
「チッ…聖梨、行くぞ」
「うん!そうだね!美玲さん、すみません!お店お願いします!!」
聖梨は、ペコリと頭を下げた。
美玲が聖梨の側までやって来て、耳打ちした。
「…聖梨さん、ありがとうございます!マスター独り占め出来るので、気にしないで下さいね♪♪」
美玲は、ニコニコしている。
「それに…今日は社長のせいなので、お給与もガッポリ支払ってもらえますし♪」
申し訳なく思いながらも、龍の為に作った物を慌てて持って外に行く。
ドアを閉める時に『マスター、私からのチョコです!』と聞こえてきた。
(美玲さんの邪魔になるもんね)
龍はわかっていて酷いことを言ったのかなと思いながら、龍の後ろを追いかけた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 116