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こいつらに包丁を持たせたら危険だ
それが分かって、俺は頭を悩ませる。
だって、包丁が使えないんだぞ?最初はほぼ全部包丁を使うのに…。俺1人で下拵えをしては意味がない。つか、授業中に作り終わらない気がする。
…あ、そういえばもしかしたら使うかもって思っててピーラー持ってきてたかもしれない。何で忘れてたんだろ。
「これでじゃがいもあと1個と人参残りのところ皮剥いて。俺が切るから」
「おー、見慣れた物が出てきた」
持ってきていた袋からピーラーを2つ取り出してそれを2人に渡す。これならお前らでもできるだろ。
「…なあ、狼城…このシール何?」
「あ?…あー、兄貴が買ってきた」
「「流星さん…?!!」」
吉柳が持ってるやつには目玉のステッカー。愁のにはゆるキャラみたいな猫のやつが貼られていて、両方兄貴が買って、貼った奴だ。
チョイスが謎過ぎるが、兄貴曰このシールは『俺の』ってマークらしい。あ、言い忘れてたけど2つのピーラー兄貴専用のやつ。確か家にもう1個あったはず。時々料理手伝ってくれて、皮剥く時はそれでやってる。何で3つもあるのか、と聞かれると答えにくい。多分その日その日の気分で使いたいやつが違うんだろ。俺にも分からない。
「流星さんって面白いセンスしてるよね」
「これにこんなシール貼るの流星さんくらいだろうしな…」
「それ」
「…兄貴のだって分かりやすくて良いんじゃね?」
「2人暮らしだけどね」
「2人しかいないけどな」
…まあ、そうだけど。俺使わないからシール貼る必要ないけど。
兄貴はそれでも貼りたかったんだよ。きっと。
「他にシール貼ってる奴って?」
「あ?…あー、携帯とか、ペンケースとか…。あ、前は煙草のケースにも貼ってた」
「煙草のケースって買ったときのあの箱?」
「…いや、何かメタルの態々買ってきて貼ってた」
「流星さん面白すぎ」
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