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ーどうしよう…ー
結局1週間ずっと悩んでみたけど書けなかった。
鞄の中に一応は突っ込んでる、何度も何度も握りつぶしてくしゃくしゃになったそれ。
締切は今日なのに、今日中に出さないといけないのにまだ頭真っ白で思い付きそうにない。
愁と琉生を参考にしてみようと思って1度聞いてみたが、ちゃんと2人はしたいことを持ってて、何も思い浮かばない段階の俺には決して参考にはならなかった。勝手に聞いといて失礼な話だけど。
「ルウちゃんはさ、考えすぎなんだよ。やりたいこと無いなら就職するのも有りだし、したいこと無くても将来のことを考えて良い大学に入るのも有り。流星さんみたいに自分のレベルの大学に行くよりは就職した方が良いって思うのもそれはそれで有りだよ」
「それに、義務教育じゃないからいつでも大学なんて試験受けれるしな」
「そそ。高卒で仕事する奴なんて珍しくないし。中卒の奴もいる。俺らだってそうしようと思ってた時期あったじゃん。場所は限られて来るけど中卒よりは広がるってだけ。大学もその延長でしょ」
「なんとなくで進学するやつもいるだろ。高校のときから目標持ってる奴が全員って訳じゃない」
2人は俺が好きなようにしたら良いと言った。
そう、結局のところ決めるのは俺自身なんだ。正解とか、不正解とかそんな物は存在しない。あるとしたらそれで後悔するか、しないかだ。
…大学も義務教育なら楽だったのにな。
この日は授業中も考えてみたけどどうやっても分からなくてずるずると放課後を迎えてしまった。
「紙出してないの昴流だけなんだけど…無くしちゃった?」
で、まあ理科室に呼び出された。
「…一応は、ある」
「今持ってる?」
「あ、う…」
「ん…?」
鞄の中に有るけど結構グシャグシャにしちゃったし…あの紙で出すのも良く良く考えてみたら…。新しいのを貰った方が良いかな。
「昴流」
「う…?」
「一緒に考えよっか」
ぽんぽん、と隣の席を叩いて座るよう促す。
俺の心境を察してか、持っていたファイルから1枚俺がボロボロにしたそれと同じプリントを出す。
「昴流はどうしたいの?中学卒業したら元は働くつもりだって言ってたから働くの?それともこのまま進学?」
「…決めれてない」
「んー…したいことは?」
「……分からない」
「そっか」
「じゃあ、そっから考えるか」と忙しいだろうに嫌な顔ひとつしない。
昼休憩すらまともに最近取れてないのに、放課後も時間を取ってしまってると思うと申し訳無く感じた。
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