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「愁桂木さんと帰らないの?」
「…1人で帰る」
後ろにいる愁に桂木さんの所にいかないのかと聞いてみるも首を横に振られる。
えっと…これの真逆だから桂木さんの2人で帰るってことだよね。迎えに来たの嬉しいん…だよな?そうなんだよな??
「え、ちょ…ルウちゃ…っ」
「お、わんこ分かってんじゃん。良い子良い子」
これが『つんでれ』ってのだと信じて愁を桂木さんに引き渡す。
愁が「ルウちゃんの馬鹿!」って言ってるのに罪悪感がない訳ではないけど、嫌じゃないなら恋人との時間を大切にした方が良いかな、って。まぁ多分、愁本気で怒ったりしてないし桂木さんが言うように照れ隠しなんだろう。あれだ、嫌よ嫌よも好きの内って奴だ。きっと。違ってたらごめん愁。
「愁、また学校でね」
「じゃあな愁」
「2人の裏切り者ぉ…」
「何言ってんだ素直になれない女王様の協力してくれたの間違いだろ」
「得したのはお前だけだろ…?!」
「つれないこと言うなよ」
桂木さんに腰を捕まれ連れていかれた愁にばいばい、と手を振る。言い合ってはいるが楽しそうだし俺がした行動は正解だったのだろう。良かった。愁の反応からして間違いだったんじゃないかって心配だった。
「俺の可愛いハニー達がこうやって巣立っていくのか…お兄ちゃん寂しい」
離れていく愁と桂木さんの背を見てメソメソと泣き真似をする兄貴。桂木さんと一緒に帰っただけで大袈裟な。
「こんなことなら俺がお嫁さんにもらっておくんだった…」
「家族と結婚すんの…?」
「だってそうしたら俺得ハーレムが出来あが……」
「ひっ…、りゅ、流星さ…っあ、あやま…っ!」
「…どうした?急に」
毎度のことだが馬鹿なことを言ってる兄貴の口がどう言う訳か急に止まり、琉生は怯えだす。
謝るって誰に、何を…?
その理由は2人の視線の先を追ってすぐに察せられることになる。2人の視線が合わさる所には背後に大魔王を降臨なさってる涼がいた。
修学旅行行く前に兄貴が俺のこと「ハニー」って呼んだら同じようにサタン召喚してたからそう言うこと…かな…?
2人が怖がってる隣で申し訳ないが、兄貴がこんなこと言うのいつものことなのに妬いてる涼が可愛くて俺は笑ってしまった。
…あ、涼近づいてきた。
「流星さん?何か言いました?」
「い、いいえ何でもございません」
「そうやって変なことばかり言っているからホストに間違われるのでは?」
「正論ですはい」
琉生を盾にし、涼の威圧に負け敬語になってしまってる兄貴。兄貴がこんなに怯えるの涼の前だけだと思う。…後父さん?
大魔王様は一体どれだけ立場が上なんだろう。幹部と下っ端のやり取りを見てるみたいだ。
「涼」
「ん?なぁに」
俺としてはいつまでも妬いてる大魔王様を見ていられるけど兄貴と2人に挟まれてる琉生が死が迫ってるような顔をして可哀想になってきたから涼に声を掛けて止めに入り、話をそらす。
「明日、涼の家行っていー…?」
「…っふふ、勿論。いつでもおいで」
大魔王様が降臨していたとは思えない柔らかい笑顔。鎮まった魔王に兄貴と琉生が安堵で胸を撫で下ろした。
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